今村翔吾の直木賞はいつ?『塞王の楯』受賞理由と候補歴を2026年最新情報まで徹底解説
今村翔吾さんが直木賞を受賞したのは、2022年1月19日です。受賞作は、戦国時代末期の大津城を舞台に、石垣職人集団と鉄砲職人集団の信念が激突する歴史小説『塞王の楯(さいおうのたて)』。第166回直木三十五賞で、米澤穂信さんの『黒牢城』とともに選ばれました。
ただし、今村さんの直木賞受賞は一度の挑戦で実現したものではありません。2018年の『童の神』、2020年の『じんかん』で候補となり、複数の文学賞で評価を重ねた末に『塞王の楯』で栄冠を手にしました。2026年現在は、小説の執筆に加え、映像化作品や新刊を通じても活動の幅を広げています。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 受賞時期:2022年1月19日、第166回直木賞で『塞王の楯』が受賞。米澤穂信さんの『黒牢城』との同時受賞だった。
- 受賞までの歩み:『童の神』『じんかん』でも直木賞候補となり、『じんかん』では2020年に第11回山田風太郎賞を受賞している。
- 2026年の活動:『イクサガミ』の映像展開や『火喰鳥』のアニメ化などに加え、2026年9月には新刊『未だ本能寺にあり』が発売された。
【今村翔吾の直木賞はいつ?】第166回の受賞日と受賞作を解説
今村翔吾さんが直木賞を受賞したのは、2022年1月19日です。この日に開かれた第166回直木三十五賞の選考会で、集英社から刊行された『塞王の楯』が受賞作に決まりました。
ここで押さえておきたいのは、賞の回数と発表年の違いです。第166回は2021年下半期を対象とする賞であり、受賞発表が2022年1月に行われました。そのため、「2021年の直木賞」「2022年に受賞」といった表記は、対象期間と発表日を区別すれば矛盾しません。
また、第166回は今村さん単独の受賞ではありません。米澤穂信さんの『黒牢城』も選ばれ、2作品が同時に直木賞を受賞しました。日本文学振興会が公表する歴代受賞者一覧にも、この2作品が第166回の受賞作として記録されています。
直木賞は、主に大衆性や物語性を備えた優れた小説を対象とする文学賞です。今村さんの場合、歴史上の戦いや武将を描くだけでなく、職人たちの技術、仕事への誇り、戦争を終わらせるための思想を物語の中心に置いたことが、受賞作を理解するうえで重要なポイントになります。

【『塞王の楯』のあらすじ】石垣職人と鉄砲職人が対決する戦国小説
『塞王の楯』は、関ヶ原の戦いが迫る戦国時代末期を舞台にした長編歴史小説です。集英社の作品紹介によると、物語の中心にいるのは、石垣を築く穴太衆(あのうしゅう)と、鉄砲を製造する国友衆(くにともしゅう)。それぞれ異なる方法で戦のない世を実現しようとする、2つの職人集団です。
主人公の飛田匡介(ひだ・きょうすけ)は、越前の一乗谷が織田信長に攻め落とされた際、家族を失います。その後、石垣職人の飛田源斎に救われ、穴太衆のもとで成長しました。匡介は、どんな攻撃にも耐えられる石垣を築けば、人々が戦を起こす必要のない世の中をつくれるのではないかと考え、石工として技を磨いていきます。
一方、鉄砲職人の国友彦九郎は、圧倒的な威力を持つ武器によって敵を恐れさせれば、戦そのものを抑止できると考えています。つまり、匡介は「守り」を極めることで平和を目指し、彦九郎は「攻め」の力によって平和を実現しようとするのです。
豊臣秀吉の死後、天下の情勢が不安定になるなか、匡介は京極高次から大津城の石垣の改修を任されます。そこへ彦九郎率いる国友衆の鉄砲が立ちはだかり、物語は大津城をめぐる攻防へと進んでいきます。
本作の面白さは、戦国小説でありながら、武将だけを主役にしていない点にあります。城を守る石垣も、城を破る鉄砲も、職人が積み重ねた知識と技術の結晶です。ものづくりに人生を懸ける人間同士の対立を通して、「平和を実現するためなら、どこまで力を追求してよいのか」という問いを描いています。
2024年6月には集英社文庫から上下巻が刊行されており、長編を読み進めたい人は文庫版も選択肢になります。戦国時代の合戦が好きな読者はもちろん、仕事への矜持や、正反対の信念を持つ人物同士の対立に興味がある人にも向いている作品です。
【直木賞の受賞理由は?】選考委員の評価から見える作品の強み
今村翔吾さんの直木賞受賞理由を理解するには、作品の独創性だけでなく、第166回の選評に目を向ける必要があります。集英社の受賞発表や『オール讀物』2022年3・4月合併号に掲載された選評からは、物語の熱量、職人を主役にした着想、壮大な攻城戦の描写が評価されたことが読み取れます。
第一の強みは、戦いを描く視点の新しさです。戦国小説では大名や武将が物語の中心になりやすい一方、本作は石垣を築く職人と鉄砲を作る職人を対立の軸に据えています。戦の勝敗を左右する技術を担う人々の視点から、歴史を描き直した点が特徴です。
選考委員の角田光代さんは、石垣職人と鉄砲職人を戦いの主軸に据えた新鮮さに加え、物語が強い熱量を持って展開する点を評価しました。浅田次郎さんの選評でも、作品の熱量と力強さが認められる一方、長さや細部の描写については読者に負担となる可能性が指摘されています。
第二の強みは、対立する双方に、それぞれの正義があることです。匡介も彦九郎も、戦をなくしたいという目的そのものは共有しています。しかし、そのために必要だと信じる手段は正反対です。単純に善人と悪人を分ける構造ではなく、信念がぶつかることで物語に緊張感が生まれています。
第三の強みは、歴史考証とエンターテインメント性の両立です。石垣や鉄砲といった技術的な要素を物語の仕掛けとして活用し、大規模な攻城戦へと展開させています。選評では、歴史上の細部を重視しながら、現代にも通じる問題意識を持つ大きな物語として評価する見方も示されました。
一方で、評価が完全に一致していたわけではありません。長大な物語と詳しい描写をどう受け止めるか、戦闘場面の迫力と読みやすさをどう両立させるかについては、選評にも異なる見方があります。こうした評価の幅を踏まえると、受賞は単に「歴史考証が優れていたから」という一つの理由ではなく、独創的な着想と物語を最後まで押し進める力が総合的に認められた結果と考えられます。

【今村翔吾の直木賞候補歴】『童の神』『じんかん』から受賞までの年表
今村翔吾さんは、直木賞を受賞する前にも2度候補に選ばれています。最初の候補作は『童の神』、2作目は『じんかん』でした。集英社の著者紹介や今村さんの公式プロフィールをもとに、受賞までの主な経緯を整理します。
| 時期 | 作品・出来事 | 受賞・評価のポイント |
|---|---|---|
| 2017年 | 『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー | 第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞 |
| 2018年 | 『童の神』 | 第10回角川春樹小説賞を受賞。第160回直木賞候補 |
| 2019年 | 『八本目の槍』 | 石田三成ら戦国武将を題材にした作品。後に第41回吉川英治文学新人賞を受賞 |
| 2020年 | 『じんかん』 | 第163回直木賞候補。第11回山田風太郎賞を受賞 |
| 2021年 | 『塞王の楯』刊行 | 2021年10月に集英社から刊行された長編歴史小説 |
| 2022年1月19日 | 第166回直木賞 | 『塞王の楯』が米澤穂信『黒牢城』とともに受賞 |
この年表で注目したいのは、直木賞候補に選ばれた作品が、それぞれ異なる題材を扱っていることです。『童の神』では歴史上の人物や伝承を背景にした物語、『じんかん』では戦国武将・松永久秀を題材にした物語、そして『塞王の楯』では職人の技術と信念を軸にした物語が展開されます。
つまり、今村さんの歩みは、同じ型の作品を繰り返して受賞を待つというものではありません。歴史や時代を題材にしながら、人物の見せ方や物語の中心となる問いを変え、作品ごとに表現の幅を広げてきました。候補歴を追うと、受賞までの過程そのものが作家としての変化を示していることが分かります。
【『じんかん』と山田風太郎賞】直木賞候補になった2020年の意味
2020年の『じんかん』は、今村翔吾さんの受賞歴を語るうえで欠かせない作品です。同作は第163回直木賞の候補に選ばれ、同年、第11回山田風太郎賞を受賞しました。直木賞では受賞に至らなかったものの、別の文学賞で高く評価されたことは、当時の今村さんの作家としての存在感を示しています。
『じんかん』が題材にしたのは、戦国時代の武将・松永久秀です。歴史上では主君への謀反や大仏殿焼失などと結び付けられ、悪名高い人物として語られることも多い久秀を、今村さんは小説の中心に据えました。歴史上の評価が定着した人物を別の角度から描き、その人物像を読み直す手法は、今村作品を理解するうえで重要な特徴です。
山田風太郎賞は、ミステリーや時代小説など、幅広いエンターテインメント作品を対象とする文学賞です。『じんかん』が同賞を受賞したことは、直木賞候補という実績とは別の角度から、作品の物語性や娯楽性が評価されたことを意味します。
また、今村さんの直木賞候補歴は『童の神』『じんかん』『塞王の楯』の3作品です。最初の候補となった『童の神』は第160回、続く『じんかん』は第163回、受賞作の『塞王の楯』は第166回に選ばれました。候補となった作品の間には、作家として経験を重ね、作品を発表し続けてきた時間があります。
ただし、山田風太郎賞を受賞したことが直木賞受賞を直接保証したわけではありません。賞ごとに選考の観点は異なります。複数の賞で評価されたという事実を、異なる作品の魅力が幅広い読者や選考委員に届いてきた証拠として捉えるのが適切です。

【今村翔吾の作品一覧と評判】2026年現在の活動と読み始める順番
今村翔吾さんの作品は、戦国時代を扱う長編歴史小説だけではありません。江戸時代を舞台にしたシリーズ、武将の人物像に迫る作品、現代の読者にも届きやすい娯楽性を持つシリーズなど、複数の入口があります。
代表的な作品を挙げると、デビュー作の『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』、直木賞候補作となった『童の神』と『じんかん』、吉川英治文学新人賞を受賞した『八本目の槍』、直木賞受賞作『塞王の楯』のほか、『くらまし屋稼業』シリーズ、『イクサガミ』シリーズ、『幸村を討て』『茜唄』『海を破る者』『五葉のまつり』などがあります。
評判を整理すると、今村作品の魅力として挙げられるのは、歴史上の人物を新しい視点から描くこと、物語を大きく動かす展開、登場人物が信念を貫こうとする熱量です。『塞王の楯』の選評にも、職人を主役に据えた独創性や、攻城戦を描く迫力を評価する意見が見られます。
一方で、長編作品には情報量の多さや描写の密度があります。『塞王の楯』は単行本で552ページに及ぶ大作であり、細かな技術描写や複数の人物の信念を追いながら読み進める必要があります。短時間で軽く読める作品を探している人には、少し重厚に感じられる可能性があります。
2026年現在も、今村さんの活動は小説の刊行にとどまりません。公式プロフィールでは、シリーズ『イクサガミ』のNetflix実写ドラマが2025年11月に世界独占配信されたことや、『火喰鳥』のテレビアニメが2026年1月に放送されたことが紹介されています。さらに、今村さんの公式サイトでは、2026年9月29日発売の新刊『未だ本能寺にあり』が案内されています。
これらは直木賞受賞そのものとは別の動きですが、作品が書籍以外の媒体にも広がっていることを示しています。歴史小説の読者だけでなく、映像作品から原作に興味を持った人にとっても、今村作品に触れる機会が増えています。
初めて読む人には、受賞作から作風を知りたいなら『塞王の楯』、戦国武将の人物像を掘り下げたいなら『じんかん』、シリーズものを長く楽しみたいなら『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』や『イクサガミ』がおすすめです。歴史考証や職人の技術描写にじっくり向き合いたいか、物語の勢いを優先したいかによって、最初の一冊を選ぶとよいでしょう。
【今村翔吾直木賞】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:今村翔吾が直木賞を受賞したのはいつですか?
A1:2022年1月19日です。第166回直木三十五賞で『塞王の楯』が受賞しました。対象は2021年下半期で、米澤穂信さんの『黒牢城』との同時受賞です。
Q2:『塞王の楯』の受賞理由は何ですか?
A2:石垣職人と鉄砲職人を対立の中心に据えた独創性、歴史考証、壮大な攻城戦を描く物語の熱量などが選評で評価されました。一方、長さや細かな描写については異なる見方もあり、作品全体の構成力とエンターテインメント性が総合的に評価されたと考えられます。
Q3:今村翔吾は直木賞の候補に何回選ばれましたか?
A3:計3回です。『童の神』が第160回、『じんかん』が第163回、『塞王の楯』が第166回の候補となり、3度目の候補で受賞しました。
Q4:『じんかん』も直木賞を受賞した作品ですか?
A4:いいえ。『じんかん』は2020年の第163回直木賞候補作です。同年、第11回山田風太郎賞を受賞しています。直木賞を受賞した作品は、2022年発表の第166回で選ばれた『塞王の楯』です。
Q5:2026年現在、今村翔吾の最新作や活動には何がありますか?
A5:今村さんの公式サイトでは、2026年9月29日発売の『未だ本能寺にあり』が案内されています。また、『イクサガミ』の実写ドラマ化や『火喰鳥』のアニメ化など、映像分野にも活動が広がっています。新刊や出演情報は公式サイトの新着情報で確認できます。
まとめ:今村翔吾の直木賞受賞から分かる作家としての強み
今村翔吾さんが直木賞を受賞したのは2022年1月19日、第166回直木賞で『塞王の楯』が選ばれたときです。石垣職人と鉄砲職人という、従来の戦国小説では主役になりにくかった人々を中心に据え、技術と信念の対立から戦の意味を問い直したことが、本作の大きな特徴です。
受賞までには、『童の神』『じんかん』という2つの候補作があり、『じんかん』では山田風太郎賞も受賞しています。これらの経緯を追うと、今村さんが歴史上の人物や時代をさまざまな角度から描き、作品ごとに異なる魅力を示してきたことが分かります。
2026年現在は、新刊の刊行や映像化を通じて、作品に触れる入口がさらに広がっています。直木賞受賞作を読みたいなら『塞王の楯』、人物像を掘り下げる歴史小説に興味があるなら『じんかん』、シリーズの世界に長く浸りたいなら『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』や『イクサガミ』から始めるのもよい選択です。
今村翔吾作品を選ぶ際の判断基準は、単に文学賞を受賞したかどうかではありません。歴史の再解釈、登場人物の信念、緻密な描写、物語の推進力のうち、どの魅力を味わいたいかを考えることです。その視点で作品を選べば、直木賞受賞作だけにとどまらず、今村翔吾という作家の幅広い世界を楽しめます。 (出典: 今村 翔吾 直木賞(Yahoo!ニュース))