『アンナチュラル』全10話あらすじをネタバレ解説!高瀬の正体と最終回の真相
石原さとみ主演のドラマ『アンナチュラル』は、不自然な死を解剖によって究明する法医解剖医たちの姿を描いた、TBS系の法医学ミステリーです。2018年1月12日から3月16日まで全10話が放送され、脚本は『逃げるは恥だが役に立つ』『MIU404』などでも知られる野木亜紀子が担当しました。
物語の舞台は、不自然死究明研究所、通称UDIラボ。主人公の三澄ミコトをはじめとする専門家たちが、事故や病気、自殺と判断された死の裏側に隠された真実を追います。各話で異なる事件を解決する一方、法医解剖医・中堂系が追い続ける恋人殺害事件が物語全体を貫く重要な謎となっています。
この記事では、TBS公式サイトの作品・各話紹介、放送ライブラリーの番組記録、ザテレビジョンのドラマアカデミー賞の受賞記録などを踏まえ、第1話「名前のない毒」から最終回「旅の終わり」までのあらすじをネタバレありで解説します。中堂の恋人・夕希子を殺害した犯人の正体、赤い金魚事件、アルファベット連続殺人の経緯、さらに『MIU404』『ラストマイル』とのつながりまで整理します。
>📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
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> - 全10話のあらすじ: UDIラボの法医解剖医たちが、死因に隠された事件や社会問題を解き明かす。
> - 最終回の核心: 中堂の恋人を殺害した犯人は高瀬文人。赤い金魚の正体とアルファベット連続殺人の真相が明らかになる。
> - 人気の理由: 1話完結のミステリーと長編の伏線、魅力的な登場人物、野木亜紀子のオリジナル脚本が組み合わさっている。
※以下、全話の結末や犯人に関する重大なネタバレを含みます。
【作品の基本情報】UDIラボとは?三澄ミコトたちが追う「不自然な死」
『アンナチュラル』は、単に犯人を探す刑事ドラマとは異なります。事件の出発点となるのは、亡くなった人の身体に残された証拠です。解剖によって死因を明らかにし、証言や現場の状況と照らし合わせることで、見過ごされていた真実を浮かび上がらせます。
UDIラボの仕組み
UDIラボは「不自然死究明研究所」を意味する、作中に登場する死因究明の専門機関です。TBS公式サイトの第1話紹介では、警察や自治体から依頼された異状死体・犯罪死体を年間約400体扱う機関として描かれています。
UDIラボの仕事は、遺体を解剖して死因を特定することだけではありません。毒物、感染症、事故、他殺などの可能性を検討し、遺体から得られた所見を捜査や関係者の判断につなげていきます。
重要なのは、解剖で分かる事実と、犯人を法的に有罪とするための証拠は同じではないという点です。最終回で中堂たちが直面する問題も、この隔たりにあります。
主要キャラクターとキャスト
| 登場人物 | キャスト | 役割・見どころ |
|---|---|---|
| 三澄ミコト | 石原さとみ | 冷静な観察力と行動力を持つ法医解剖医。UDIラボの中心人物 |
| 中堂系 | 井浦新 | 卓越した技術を持つ法医解剖医。恋人の殺害事件を追い続ける |
| 久部六郎 | 窪田正孝 | UDIラボで働く記録員。医療の現場と自身の進路の間で揺れる |
| 東海林夕子 | 市川実日子 | ミコトの同僚で臨床検査技師。率直な性格と実務能力が魅力 |
| 神倉保夫 | 松重豊 | UDIラボの所長。組織の存続とメンバーを支える |
| 坂本誠 | 飯尾和樹 | 中堂の班に所属する臨床検査技師 |
| 木林南雲 | 竜星涼 | 葬儀社の社員。遺体の搬送を通じてUDIラボと関わる |
ミコトは、死者の尊厳を守ることと、生きている人の未来を守ることを両立させようとします。一方、中堂は亡くなった恋人への執着を抱え、真実を突き止めるためなら危険な行動も辞さない人物です。
この2人の対照的な姿勢が、各話の事件だけでなく、物語全体の緊張感を生み出しています。
【全10話あらすじ・ネタバレ】第1話「名前のない毒」から最終回まで
TBS公式サイトの各話紹介などに基づき、全10話の事件と物語上の重要なポイントを整理します。
| 話数・放送日 | サブタイトル | あらすじ・重要なポイント |
|---|---|---|
| 第1話・1月12日 | 名前のない毒 | 突然死した男性の死因を調べると、毒物では説明できない異変が浮かび上がる。感染症の真相と、誤った情報がもたらす被害を描く。 |
| 第2話・1月19日 | 死にたがりの手紙 | 集団練炭自殺とみられた現場で、少女の死因が凍死と判明。胃の中に残されたメッセージから事件の真相を追う。 |
| 第3話・1月26日 | 予定外の証人 | 殺人事件の裁判で、ミコトが証拠の矛盾を指摘。中堂の過去にも関心が集まる。 |
| 第4話・2月2日 | 誰がために働く | バイク事故で死亡した男性の解剖から、過重労働と事故の関係が明らかになる。 |
| 第5話・2月9日 | 死の報復 | 自殺と判断された女性の溺死体をめぐり、恋人の鈴木が真相を求める。事件解決後の復讐と中堂の姿勢が重要な伏線になる。 |
| 第6話・2月16日 | 友達じゃない | 東海林がホテルで目覚めると、隣には男性の遺体があった。連続不審死の容疑者となった東海林を救うため、ミコトたちが調査する。 |
| 第7話・2月23日 | 殺人遊戯 | 殺人の実況生配信をめぐり、ミコトたちが事件の真相に迫る。いじめと自殺をめぐる問題も描かれる。 |
| 第8話・3月2日 | 遥かなる我が家 | 雑居ビル火災で見つかった10体の焼死体を解剖。身元不明の遺体から、亡くなった人物の最後の行動が判明する。 |
| 第9話・3月9日 | 敵の姿 | スーツケースから発見された女性の口内に、赤い金魚のような痕が見つかる。中堂の恋人殺害事件が大きく動き出す。 |
| 第10話・3月16日 | 旅の終わり | 高瀬文人が殺人事件の容疑者として浮上する。UDIラボの存続も危機に陥るなか、赤い金魚事件の全貌が明かされる。 |
第1話「名前のない毒」:毒物ではなく感染症が鍵を握る
高野島渡という男性が突然死し、両親は心不全という診断に納得できず、UDIラボに死因の究明を依頼します。解剖では心臓に明確な異常が見つからず、毒物による死亡が疑われます。
さらに、男性の同僚にも原因不明の突然死が起きていたことが判明。婚約者の馬場路子が毒物の研究に関わっていたことから、未知の毒による完全犯罪という可能性が浮かび上がります。
しかし、事件の核心は毒物ではありません。最終的にはMERSコロナウイルス感染が問題となり、男性が感染源として非難された背景にも、病院内の感染という別の事情があったことが明らかになります。
この回が描くのは、死因を誤認する危険性だけではありません。科学的な検証を欠いたまま誰かを犯人扱いすれば、亡くなった人の名誉も、残された人の人生も傷つけてしまうのです。
第2話「死にたがりの手紙」:集団自殺に隠された殺人
練炭による集団自殺とみられる現場で、ミコトたちは4人の遺体を調べます。3人は一酸化炭素中毒でしたが、少女の死因は凍死。さらに胃の中から不可解なメッセージが見つかり、事件性が浮かび上がります。
ミコトと六郎は現場の状況を詳しく調べ、身元不明の少女が別の場所で死亡した可能性を突き止めます。やがて、自殺志願者を装って相手に近づき、犯行に及んだ人物の存在が明らかになります。
この事件は、本人が望んでいるように見える状況でも、その裏に他人の悪意や誘導が潜んでいる可能性を示しています。同時に、ミコト自身が過去に経験した家族の悲劇にも触れ、主人公の人物像を深める回です。
第3話「予定外の証人」:裁判で問われる解剖結果の意味
妻を殺害した罪に問われた男性の裁判で、ミコトは代理証人として出廷します。凶器とされた包丁と傷口の特徴が一致しないことに気づき、法医学的な所見から事件の前提を覆していきます。
この回では、遺体の所見が裁判の結論を左右することが描かれます。警察や検察が立てた筋書きがあっても、科学的な証拠が食い違えば再検討しなければなりません。
また、中堂が過去に殺人容疑で逮捕されていたことも判明します。彼の恋人に何が起きたのかという謎が、ここから物語の中心へと近づいていきます。
第4話「誰がために働く」:死因が明らかにする労働問題
バイク事故で死亡した佐野の死因究明を依頼したのは、ミコトの母で弁護士の夏代です。事故をめぐって、勤務先の過重労働、バイクの修理、医療機関の判断など、複数の責任問題が浮上します。
解剖によって、過去の転倒事故で生じた傷が死亡につながっていたことが判明。さらに、長時間労働による疲労と事故との関係も明らかになります。
死因を特定することは、単に死亡診断書の記載を正す作業ではありません。遺族が補償を求める際にも、事故の背景にある社会的な問題を明らかにする際にも、重要な意味を持ちます。
この回では、法医学が個人の死だけでなく、労働環境や企業の責任にもつながることが示されます。
第5話「死の報復」:溺死体に残された矛盾と復讐
青森からUDIラボを訪れた鈴木巧は、恋人の死因を調べてほしいと訴えます。女性は海で死亡し、自殺と判断されていましたが、鈴木は彼女が自ら命を絶つはずがないと考えていました。
ところが、鈴木が持ち込んだのは、葬儀のために預けられていた遺体を無断で持ち出したものでした。解剖は中断されるものの、中堂が調べた肺や海水、遺体の状態などから、目撃証言と実際の死亡状況に矛盾が見つかります。
調査の結果、女性は職場の同僚によって海に落とされ、自殺に見せかけられていたことが判明します。
しかし、事件は法的な解決だけでは終わりません。鈴木は犯人への復讐に走り、中堂はその行動を止めようとしませんでした。
第5話の重要なポイントは、真実を知ることと、復讐を実行することは別問題だという点です。 中堂は復讐を遂げようとする鈴木を理解し、ミコトはその姿勢に強く反発します。この対立は、最終回で中堂自身が復讐の当事者になったとき、大きな意味を持ちます。
第6話「友達じゃない」:東海林に殺人容疑がかかる
高級ジムのパーティーに参加した東海林は、翌朝、見知らぬホテルのベッドで目を覚まします。隣にはパーティーで知り合った男性の遺体があり、本人は昨夜の記憶を失っていました。
さらに、別の場所でも男性の不審死が発生。2つの事件に共通点が見つかったことで、警察は連続殺人の可能性を疑い、東海林にも容疑が向けられます。
ミコトたちは遺体に残された発赤などの所見を手がかりに、被害者同士のつながりと死亡の仕組みを調べます。やがて、事件の背景にある不正や、複数の男性の関係が浮かび上がります。
タイトルの「友達じゃない」は、表面的な交友関係と、本当の信頼関係の違いを考えさせる言葉でもあります。ミコトと東海林の関係が事件を通じて描かれる点も見どころです。
第7話「殺人遊戯」:ネット配信の向こうにいる少年
ミコトのもとに、殺人実況生中継を知らせる連絡が届きます。配信者は、横にある遺体の死因を特定するようミコトに要求。事件は視聴者を巻き込む異様な展開を見せます。
調査が進むにつれて、学校でのいじめと、被害者たちの関係が明らかになります。配信の目的は単純な殺人事件の解明ではなく、いじめの加害者に社会的な責任を負わせようとする、歪んだ計画とも結びついていました。
ミコトたちは少年の行動の背景を理解しようとしながら、さらなる悲劇を防ごうとします。
そして事件後、中堂は8年前に亡くなった恋人・糀谷夕希子の写真をミコトに見せます。彼女の口内には、赤い金魚のような痕が残されていました。ここから、作品全体を貫く連続殺人事件の謎が本格的に動き始めます。
第8話「遥かなる我が家」:火災で亡くなった人の最後の行動
雑居ビルの火災で、10体の焼死体がUDIラボに運ばれてきます。解剖を進めるなか、身元の特定が難しい遺体があり、死因や身体に残された痕跡を一つずつ調べていきます。
やがて、火災現場で生き残った人物の存在が明らかになり、身元不明だった遺体との関係が浮上します。調査の結果、過去に犯罪歴があり家族とも疎遠だった男性が、火災のなかで別の人物を救おうとしていたことが分かります。
死者の人生は、亡くなった瞬間だけで評価できるものではありません。周囲が知らなかった善意や、最期に取った行動を解剖によって明らかにすることが、この回の大きなテーマです。
同時に、中堂の恋人が絵本作家だったことや、彼女が残した「ピンクのカバ」という作品も重要な手がかりになります。次の第9話で、赤い金魚事件は大きく進展します。
第9話「敵の姿」:赤い金魚の痕が再び見つかる
空き家に置かれたスーツケースから、若い女性の遺体が発見されます。ミコトが遺体を調べると、口内に中堂の恋人・夕希子と同じ赤い金魚のような痕が見つかりました。
中堂が追い続けてきた事件と、新たに発見された遺体がつながる可能性が浮上します。しかし、警察は連続殺人を立証する証拠が不足しているとして、慎重な姿勢を崩しません。
UDIラボは、遺体の胃の内容物や死因などを詳しく調べ、複数の事件を結びつける証拠を探します。ミコトたちが新たな手がかりを発見したことで、事件は最終局面へと向かいます。
この回では、遺体に残る小さな痕跡が、過去の事件を結びつける重要な証拠になることが示されます。赤い金魚は、単なる特徴的な傷ではなく、中堂の8年間にわたる追跡の核心だったのです。
第10話・最終回「旅の終わり」:高瀬の正体と事件の結末
連続殺人事件の容疑者として、高瀬文人が警察に出頭します。高瀬は遺体損壊については認める一方、殺人そのものは否定。殺人を立証する決定的な証拠がなく、ミコトたちは厳しい状況に追い込まれます。
さらに、六郎がUDIラボの情報を週刊誌に流していたことが発覚し、組織は崩壊の危機に直面します。中堂もまた、恋人の仇を討つため、法医学者としての立場を危うくする行動に出ます。
それでもミコトたちは、過去の遺体を再検証することで証拠を探し続けます。夕希子の遺体が海外で土葬されていたことに着目し、再解剖によって新たな証拠を得る道が開かれます。
最終的には、高瀬のDNAが夕希子の口腔内から検出され、犯行を立証する決定的な手がかりとなります。高瀬の犯行と宍戸の関与も明らかになり、中堂が長年追い続けた事件は、ようやく法的な決着へと向かいます。
「旅の終わり」というタイトルは、単に連続殺人事件の解決を指すだけではありません。復讐に人生を捧げてきた中堂が、その執着から離れられるかどうかを問う、人物ドラマとしての結末でもあります。
【最終回ネタバレ解説】中堂の恋人殺害事件とアルファベット連続殺人の真相
『アンナチュラル』最大の謎は、中堂の恋人・糀谷夕希子を殺害した犯人が誰なのか、そして口内に残された赤い金魚の痕が何を意味するのかという点です。
犯人は高瀬文人。宍戸は何をしていたのか
恋人殺害事件を含む一連の連続殺人の犯人は、高瀬文人です。高瀬は不動産業に関わる人物として登場し、表向きは普通の社会生活を送っているように見えます。
しかし、その裏では複数の女性を殺害し、遺体を損壊するなどの行為を繰り返していました。中堂が追っていた夕希子も、その犠牲者の一人です。
一方、フリージャーナリストの宍戸理一は、高瀬の犯行に関する情報を持ちながら、その事実を正しく公にすることなく利用していました。事件をスクープとして商品化しようとした宍戸の行動は、犯人とは別の立場から事件を深刻化させます。
整理すると、2人の役割は次のようになります。
- 高瀬文人: 夕希子を含む連続殺人事件の犯人。
- 宍戸理一: 高瀬の犯行を知りながら利用し、事件の隠蔽や継続に関与した人物。
- 中堂系: 恋人を殺害された法医解剖医。長年、犯人の特定と復讐を追い求めてきた。
- 三澄ミコト: 法医学的な証拠を積み重ね、復讐ではなく事実の立証によって事件を解決しようとする。
宍戸は真犯人ではありません。しかし、真実を知りながら事件を利用する姿勢は、正義や報道の責任という別の問題を物語に持ち込みます。
赤い金魚事件とは?口内に残された痕の正体
赤い金魚とは、夕希子を含む複数の女性の口内に見つかった、金魚のような形の痕を指します。
当初、この痕は犯人を特定する重要な手がかりでありながら、異なる事件を直接結びつける証拠にはなりませんでした。被害者ごとに死因が異なり、外見上の共通点だけでは連続殺人と断定できなかったためです。
調査が進むと、痕は金魚の模様が刻まれたゴム製のおもちゃを口内に押し込まれたことで生じた圧迫痕であることが分かります。
つまり、赤い金魚は生まれつきの特徴や単なる偶然の傷ではなく、犯行に関連する物証だったのです。
最終回では、夕希子の遺体を再解剖したことで、口腔内から高瀬のDNAが検出されます。過去の事件を結びつける決定的な証拠が得られたことで、高瀬の否認を崩す道が開かれました。
アルファベット連続殺人の経緯
高瀬の犯行をさらに異様なものにしているのが、アルファベットを利用した連続殺人の構想です。
高瀬は、殺害方法や使用した物質などを英単語と結びつけ、AからZまでの文字になぞらえた連続殺人を企てていました。作中では、ニコチンを意味する「Nicotine」のNや、ホルマリンを意味する「Formalin」のFなどが事件を読み解く手がかりになります。
この仕組みは、犯人が殺人を単なる衝動的な行為ではなく、自分の構想を完成させるための計画として扱っていたことを示しています。
物語では、次のような順序で真相が明らかになります。
1. 中堂が、恋人の口内に赤い金魚のような痕が残されていたことから事件を追い続ける。
2. 第7話でミコトに協力を求め、第8話で夕希子の過去や作品に関する手がかりが明らかになる。
3. 第9話で新たな遺体から同じ痕が見つかり、複数の事件を結びつける可能性が高まる。
4. 第10話で高瀬が容疑者として浮上するが、殺人を立証する証拠が不足する。
5. 夕希子の遺体を再検証し、高瀬のDNAを検出することで、犯行を立証する決定的な手がかりを得る。
ここで注目したいのは、犯人の名前が判明しただけでは事件は終わらないことです。自白や疑わしい行動があっても、法廷で犯行を立証できる証拠がなければ、殺人罪で裁くことは難しい。作品はこの問題を通じて、真実を知ることと、真実を証明することの違いを描いています。
なぜ中堂は復讐をやめられなかったのか
中堂は、恋人を失った悲しみを抱えながら、長年にわたって犯人を追い続けてきました。彼にとって解剖は職業であると同時に、夕希子の死の真相に近づくための手段でもあります。
第5話では、復讐に走る鈴木を止めない中堂の姿が描かれます。最終回では、今度は中堂自身が宍戸への報復を実行しようとします。
この展開によって、中堂は単なる復讐に燃える人物ではなく、復讐によって自分自身を失いかねない人物として描かれます。
対照的なのがミコトです。彼女は、犯人を裁くために必要なのは怒りをぶつけることではなく、証拠を集め、事実を立証することだと考えます。
中堂が最終的に事件の決着を迎えられたのは、復讐を実行したからではありません。ミコトたちが法医学の力で犯行を証明する道を見つけたからです。
【評判と人気の理由】野木亜紀子の脚本と『MIU404』『ラストマイル』とのつながり
『アンナチュラル』は、放送当時から脚本、演出、キャストの演技などが高く評価されました。人気の背景には、法医学ミステリーとしての面白さに加え、社会問題を物語の中に自然に組み込む構成があります。
全10話が高く評価された理由
第一の理由は、1話完結の事件と長編ミステリーを並行させた構成です。
各話では、感染症、偽装自殺、裁判、過重労働、いじめなど、異なる問題が扱われます。それぞれの事件は基本的にその回で解決へ向かいますが、中堂の恋人殺害事件や六郎の進路、UDIラボの人間関係は、全話を通して少しずつ進展します。
そのため、単発のエピソードだけでも楽しめる一方、続けて見ると細かな伏線が別の意味を持つようになります。
第二の理由は、専門知識を人間ドラマに結びつけていることです。解剖の結果が示すのは、死因だけではありません。労働環境、いじめ、報道の責任、遺族の思いなど、亡くなった人を取り巻いていた問題も浮かび上がります。
第三の理由は、登場人物の魅力です。ミコトと中堂の対照的な価値観に加え、東海林の率直さ、六郎の迷い、神倉の責任感が物語に厚みを与えています。
受賞歴が示す作品の評価
ザテレビジョンの第96回ドラマアカデミー賞では、『アンナチュラル』が最優秀作品賞を受賞しました。石原さとみの主演女優賞、井浦新の助演男優賞、野木亜紀子の脚本賞、監督賞、主題歌「Lemon」のドラマソング賞など、計6部門で評価されています。
また、放送ライブラリーの番組記録には、第44回放送文化基金賞のドラマ番組最優秀賞・脚本賞、第55回ギャラクシー賞の優秀賞という受賞歴も記載されています。
こうした評価は、犯人当ての面白さだけではなく、作品全体の脚本や演出、演技の完成度が評価されたことを示しています。
『MIU404』と『ラストマイル』は続編なのか
『アンナチュラル』を見終えた人が次に気になるのが、『MIU404』や映画『ラストマイル』との関係です。
TBSが公開している『ラストマイル』の作品情報では、映画に『アンナチュラル』と『MIU404』の主要キャストが出演することが紹介されています。『ラストマイル』は、世界規模のショッピングサイトから発送された段ボール箱の爆発事件をきっかけに、物流業界を舞台とする連続爆破事件を描いた作品です。
それぞれの作品には、次のような違いがあります。
| 作品 | 主な舞台・テーマ | 『アンナチュラル』との関係 |
|---|---|---|
| アンナチュラル | UDIラボ。死因究明と法医学ミステリー | 物語の中心となる作品 |
| MIU404 | 機動捜査隊。事件捜査と社会の問題 | 同じ制作陣が手がける、つながりのある世界観の作品 |
| ラストマイル | 物流業界。連続爆破事件と社会システム | 両ドラマの主要キャストが登場するクロスオーバー映画 |
3作品は、同じ世界観を共有する点が魅力です。ただし、『ラストマイル』を『アンナチュラル』の単純な続編と捉えるのは正確ではありません。映画独自の事件と主人公たちの物語があり、その中で過去のドラマの人物たちが関わる構成になっています。
『アンナチュラル』で法医学を通じて社会の問題を描いた野木亜紀子の脚本は、『MIU404』や『ラストマイル』でも、個人の事件と社会全体の仕組みを結びつける方向性につながっています。
【アンナチュラルあらすじ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:『アンナチュラル』は全何話ですか?
A1:全10話です。2018年1月12日から3月16日まで、TBS系の金曜ドラマ枠で放送されました。各話の事件を解決する一話完結型の構成と、中堂の恋人殺害事件を追う長編ストーリーが並行して進みます。
Q2:中堂の恋人・夕希子を殺した犯人は誰ですか?
A2:犯人は高瀬文人です。夕希子の口内に残された赤い金魚のような痕が手がかりとなり、最終回で遺体を再検証した結果、高瀬のDNAが検出されます。これによって、長年未解決だった殺人事件を立証する道が開かれました。
Q3:赤い金魚の正体は何ですか?
A3:金魚の模様が刻まれたゴム製のおもちゃを口内に押し込まれたことで生じた圧迫痕です。夕希子だけでなく、ほかの被害者にも同じ痕が残されていたことから、連続殺人事件を結びつける重要な手がかりになりました。
Q4:第5話「死の報復」はどんな話ですか?
A4:自殺と判断された女性の溺死体をめぐり、恋人の鈴木巧が真相を求める物語です。解剖と現場の状況を検証した結果、女性が殺害され、自殺に見せかけられていたことが判明します。事件後、鈴木が復讐に走る展開は、中堂の考え方や最終回につながる重要な伏線です。
Q5:『アンナチュラル』の続編はありますか?
A5:『アンナチュラル』単独の連続ドラマ続編とは別に、『MIU404』や映画『ラストマイル』を通じて、共通する世界観を楽しめます。特に『ラストマイル』では両ドラマの主要キャストが登場します。作品同士のつながりを楽しみたい場合は、ドラマ2作品を見てから映画を見ると、より多くの発見があります。
まとめ:【プロの結論】『アンナチュラル』は死因の解明から人間と社会を描く物語
『アンナチュラル』は、UDIラボの法医解剖医たちが不自然な死の真相を追う、全10話の法医学ミステリーです。第1話「名前のない毒」から最終回「旅の終わり」まで、事件ごとの謎を解き明かしながら、中堂の恋人殺害事件という大きな物語が展開します。
最大の謎だった赤い金魚事件の犯人は高瀬文人でした。アルファベットを利用した連続殺人の構想、宍戸の関与、夕希子の遺体から見つかったDNAなど、複数の手がかりが結びつくことで、事件はようやく決着へと向かいます。
作品をより深く楽しむために押さえておきたいのは、死因の解明と犯人の処罰は別の問題であり、真実を法的に立証するには証拠が必要だということです。中堂が復讐に傾く一方で、ミコトは科学的な検証を通じて事件を解決しようとします。この対照が、物語の核を形作っています。
各話の社会問題に注目したい人には第4話や第7話、ミステリーの伏線を追いたい人には第1話から第3話、そして第9話・第10話がおすすめです。登場人物の変化までじっくり味わいたいなら、全10話を通して見ることで、最終回の「旅の終わり」が持つ意味もより鮮明になります。
さらに『MIU404』『ラストマイル』へと視聴を広げれば、同じ世界観のなかで描かれる事件と社会のつながりも楽しめます。『アンナチュラル』が長く支持されている理由は、巧みな犯人当てだけでなく、死者の身体に残された事実から、生きている人間の選択や責任まで描き切っているところにあります。 (出典: アン ナチュラル あらすじ(Yahoo!ニュース))