式秀部屋の問題の真相は?女将と協会の制度的課題、2026年の現状と運営実態を徹底解説
式秀部屋をめぐる問題は、2020年8月に所属力士9人が一時的に部屋を離れ、日本相撲協会に相談したことで広く知られるようになりました。報道では、女将による厳しい生活指導や、師匠の体調不良によって指導体制が十分に機能していなかった状況が取り上げられました。しかし、この問題の背景には、個人間の対立だけでは説明できない相撲部屋の運営制度もありました。
特に重要なのが、女将と日本相撲協会との間に雇用関係がないという仕組みです。部屋の運営を支える女将に対して、協会がどこまで直接介入できるのか。10代式秀の管理責任はどのように問われたのか。そして、部屋付き親方が不在だった当時、力士の育成環境をどう立て直すべきだったのか。2026年の式秀部屋の現状も踏まえ、問題の経緯と構造的な課題を整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 問題の発端:2020年8月、式秀部屋の力士9人が生活指導への不満などを訴え、一時的に部屋を離れた。
- 制度上の問題:女将は日本相撲協会の協会員ではなく、直接的な処分が難しいため、師匠である10代式秀の監督責任が焦点になった。
- 当時の指導体制:師匠の体調不良に加え、部屋付き親方が不在だったことから、力士の生活管理と育成をどう立て直すかが課題となった。
- 2026年の現状:日本相撲協会の公式部屋紹介では式秀部屋の活動が確認できる一方、所属力士の番付上昇や関取育成は引き続き注目すべき課題となっている。
【式秀部屋の現在】2026年の所属力士と運営状況を確認
2026年10月現在、式秀部屋は茨城県龍ケ崎市佐貫に拠点を置く日本相撲協会所属の相撲部屋です。日本相撲協会の公式サイトでは、師匠として式守秀五郎(元前頭九枚目・北桜)が掲載されています。
式秀部屋は1992年に創設され、2013年に現在の師匠へ継承されました。2020年の騒動によって部屋そのものが消滅したわけではなく、その後も所属力士が本場所に出場しています。
2026年9月場所の所属力士については、相撲観戦情報を扱う「大相撲のはてなに効く!観戦ガイド」の集計で9人とされ、幕内・十両に該当する関取は不在でした。同場所の部屋全体の成績は20勝43敗で、勝ち越し力士は0人と報告されています。
この数字は、2026年時点の式秀部屋を考えるうえで見逃せない情報です。ただし、2020年の運営問題と現在の成績との間に直接的な因果関係があると判断できる資料は、これらの数字だけでは得られません。管理体制の評価と、力士個々の競技成績は分けて考える必要があります。
また、現在の部屋の状況を知る際には、過去の騒動を紹介する記事だけでなく、日本相撲協会の公式部屋紹介や最新の番付も確認することが重要です。2020年当時の報道を、2026年現在も同じ状態が続いているという意味に読み替えるのは適切ではありません。
【問題の経緯】2020年8月に力士9人が部屋を離れた理由
式秀部屋の問題が表面化したのは2020年8月です。日刊スポーツやスポニチなどの報道によると、8月4日、所属力士9人が茨城県龍ケ崎市の部屋を一時的に離れ、女将による生活指導への不満を日本相撲協会に訴えました。
当時、師匠の式秀親方は体調不良のため、力士の指導を十分に行えない状況にあったと報じられています。稽古場での相撲指導だけでなく、共同生活における規律や日常の管理も必要な相撲部屋で、師匠の不在を補う役割を女将が担っていたことが、問題の背景にありました。
報道では、連絡用のグループLINEにおける細かな指示、返信が遅れた際の注意、実家から届いた荷物の写真共有などが、力士側の精神的負担になっていたとされています。また、「クビにする」といった趣旨の発言も報じられました。こうした内容は当時の取材報道で取り上げられた訴えであり、すべてが協会による個別の事実認定や正式な処分理由として公表されたわけではありません。
騒動後、日本相撲協会のコンプライアンス委員会が関係者への聞き取りを実施しました。日刊スポーツなどの報道から確認できる主な経緯は、次のとおりです。
| 時期 | 出来事 | 確認できる対応・背景 |
|---|---|---|
| 2020年8月4日 | 力士9人が一時的に部屋を離れる | 女将の生活指導などへの不満を協会に相談したと報じられた。 |
| 2020年8月5日 | 協会による聞き取り | 力士、10代式秀、女将らから事情を聴き、師匠と女将に行き過ぎた指導について注意した。 |
| 2020年8月7日 | 調査対象を拡大 | 部屋に残っていた力士に加え、行司や床山らにも聞き取りが広げられた。 |
| 2020年8月9〜10日 | 師匠と力士の個別面談 | 10代式秀が力士一人ひとりと話し合い、不満や改善点を確認したと報じられた。 |
| 2020年8月11日 | 稽古を再開 | 師匠が稽古場で直接指導し、部屋の立て直しが進められた。 |
この経緯から分かるのは、問題が単に「力士が規則を守らなかった」という話ではなかったことです。共同生活のルールや指導方法について、師匠と力士の間で認識のずれが生じ、それが複数の力士による集団での相談という形で表面化しました。
一方、協会側の対応も、女将への直接的な懲戒処分という形にはなりませんでした。2020年8月7日付のデイリースポーツは、当時の問題が理事会の正式な処分事案とはならず、部屋内の問題として関係者の調整や和解を図る方向だったと報じています。
【問題の真相】女将と日本相撲協会に雇用関係がないという制度的課題
式秀部屋の騒動を理解するうえで、最も重要なのが女将の立場です。相撲部屋の女将は、力士の食事や生活、来客への対応など、部屋の日常運営を支える役割を担うことが多くあります。しかし、伝統的に師匠の妻がその仕事を担ってきたため、女将と日本相撲協会との間に直接の雇用関係があるとは限りません。
2020年8月10日付の日刊スポーツは、協会が女将に直接指導や処分を行うことの難しさを報じました。女将は協会員ではないため、協会の内部規律に基づく処分を直接科すことが難しく、問題への対応では師匠の監督責任が焦点になるという構造です。
ここには、相撲部屋の運営における権限と責任のずれがあります。
- 実務上の影響力:女将は日常生活の管理を通じて、力士の生活環境に大きな影響を与え得る。
- 協会との関係:女将は協会員や協会職員とは限らず、協会が直接指揮命令する関係にない。
- 監督責任:部屋の責任者である師匠は、女将が関わる生活管理を含め、部屋の運営全体に責任を負う立場にある。
- 改善の難しさ:現場の管理を担う人と、協会から監督責任を問われる人が異なる場合、問題の是正に時間がかかるおそれがある。
部屋マネージャーを雇用して裏方業務を分担する相撲部屋もあります。しかし、女将が伝統的に多くの仕事を担う運営形態では、職務範囲や指導権限、苦情を受け付ける窓口が明確になっていないと、問題が起きた際に責任の所在が曖昧になりかねません。
これは女将という役割そのものを否定する話ではありません。力士の生活を支える役割と、力士を監督・指導する権限をどこまで持たせるかを整理し、問題が起きた際に誰が対応するのかを明確にする必要がある、という組織運営上の課題です。
式秀部屋の問題が示したのは、協会に所属する師匠が部屋の責任者であっても、日常運営を担う人が協会の直接的な監督対象ではない場合、組織全体の管理体制に空白が生じ得るという点でした。

【10代式秀の管理責任】部屋付き親方が不在だった当時の事情
2020年当時、式秀部屋には部屋付き親方が在籍していなかったと報じられています。部屋付き親方とは、部屋の師匠とは別に所属し、稽古や力士の指導などを支える親方です。師匠の体調が悪化した場合に、部屋内の指導や運営を補う役割を担える人材がいなかったことは、式秀部屋にとって大きな制約でした。
日刊スポーツの2020年8月12日付報道によると、式秀親方は体調不良を抱えながらも、稽古を再開した際には自ら稽古場に下りて力士を指導しました。協会のコンプライアンス委員会は聞き取りを終え、その後は部屋の自浄努力や師匠と力士の関係改善を見守る方向となりました。
当時の10代式秀に求められたのは、力士を育てる指導者としての役割を立て直すことでした。生活上のルールを定めるだけでなく、そのルールが力士の競技生活や心身の健康にどのような影響を及ぼしているかを把握し、必要に応じて運営方法を変えることが求められます。
ここで重要なのは、管理責任を師匠一人に帰すだけでは、再発防止の仕組みとして十分ではないということです。師匠が体調不良になった場合に誰が指導を代行するのか、力士が相談できる相手は誰か、生活指導に問題があった場合にどのように改善するのか。こうした仕組みが整っていなければ、同じ種類の問題が別の部屋でも起こり得ます。
式秀部屋の事例では、師匠の健康状態、女将の生活管理、部屋付き親方の不在、協会の介入方法という複数の要素が重なっていました。したがって、問題の原因を女将個人の性格だけに求めたり、師匠の監督責任だけで説明したりすると、運営上の弱点を見落とすことになります。
再発防止の観点からは、少なくとも次の点が重要です。
- 師匠が指導できない場合の代行体制を明確にする。
- 生活指導と相撲の技術指導を適切に分担する。
- 力士が師匠や女将以外にも相談できる窓口を確保する。
- 生活上のルールを定期的に見直し、力士の心身の健康に配慮する。
- 問題が起きた場合の報告経路と、改善を確認する責任者を明確にする。
これらは式秀部屋だけに限った課題ではありません。共同生活と競技指導が一体となった相撲部屋では、日常の管理体制そのものが、力士の育成環境を左右するからです。
【歴代師匠と一門の変遷】時津風一門から出羽海一門へ
式秀部屋の歴史を知ることも、2020年の問題を理解するための背景になります。式秀部屋は、元小結・大潮が師匠となって1992年4月に創設した部屋です。大潮は年寄名跡「式守秀五郎」を襲名し、時津風部屋から独立して式秀部屋を立ち上げました。
その後、2013年1月4日に元前頭九枚目・北桜が10代式秀を襲名し、部屋を継承しました。この継承に伴い、式秀部屋は時津風一門から出羽海一門へと所属を移しています。2026年現在も、式秀部屋は出羽海一門の部屋として紹介されています。
歴代師匠と部屋の変遷を整理すると、次のようになります。
- 9代式秀:元小結・大潮。1992年に式秀部屋を創設した師匠。
- 10代式秀:元前頭九枚目・北桜。2013年1月4日に部屋を継承し、2020年の騒動当時も師匠を務めていた。
- 一門の変遷:9代式秀の時代は時津風一門に属し、10代式秀への継承に伴って出羽海一門へ移った。
この変遷から分かるのは、式秀部屋が一人の師匠のもとで固定された組織ではなく、師匠の交代とともに運営体制や一門との関係も変化してきたということです。
一門は、相撲界における歴史的な系譜や親方同士のつながりを理解するうえで重要な枠組みです。ただし、一門に所属していることだけで、部屋の日常運営や力士の育成が自動的に改善されるわけではありません。実際の指導体制や相談経路、師匠の監督機能が整っているかどうかは、別に評価する必要があります。

【力士の育成は改善したのか】2026年の成績から見える課題
式秀部屋の運営を考える際には、2020年の騒動が収束したかどうかだけでなく、所属力士が継続的に稽古し、番付を上げていける環境が整っているかという視点も欠かせません。
2026年9月場所の集計では、式秀部屋は9人で20勝43敗、勝ち越し力士は0人でした。関取も不在であり、幕下以下の力士が競技面で成果を積み重ねていくことが、部屋にとって引き続き大きな課題になっています。
ただし、1場所の成績だけで育成方針の良し悪しを判断することはできません。力士の年齢、経験、けがや休場、対戦相手、過去数場所の成績など、複数の条件を合わせて評価する必要があります。また、2020年の騒動が現在の成績を直接引き起こしたと結論づける根拠もありません。
力士の育成改善を評価するなら、次のような指標を継続的に見ることが有効です。
- 番付の推移:序ノ口・序二段から三段目、幕下へと昇進する力士が現れているか。
- 勝ち越しの継続性:一時的な好成績だけでなく、複数場所にわたって安定した成績を残せているか。
- 稽古と健康管理:けがや体調不良への対応を含め、力士が継続的に競技へ取り組める環境があるか。
- 生活管理の適切さ:共同生活のルールが明確で、指導方法が力士の自立や成長につながっているか。
- 相談・報告体制:力士が困り事を安心して伝えられ、問題が起きた場合に改善へつながる仕組みがあるか。
相撲部屋の成果は、関取を何人輩出したかという数字だけで決まるものではありません。力士が健康を保ち、稽古に集中し、長期的に成長できる環境を維持することも、師匠や部屋の運営に求められる重要な役割です。
2026年の式秀部屋については、最新の番付や本場所の成績を追いながら、競技面の結果と運営面の課題を分けて見ることが大切です。過去の騒動だけを繰り返し取り上げるのではなく、現在の所属力士の活動や成長にも目を向ける必要があります。
【プロの結論】式秀部屋の問題から相撲界が学ぶべきこと
式秀部屋の問題の核心は、女将と力士の関係が悪化したことだけではありません。部屋の日常運営を担う人と、協会から監督責任を問われる人が異なり、さらに師匠の体調不良と部屋付き親方の不在が重なったことで、指導体制の弱点が表面化した点にあります。
女将と日本相撲協会に雇用関係がないという制度上の事情は、直接的な処分を難しくする一因でした。一方で、師匠には部屋全体を監督する責任があり、協会にも力士の相談を受け、必要な調査や指導を行う役割があります。問題を解決するには、誰か一人に責任を集中させるだけでなく、役割分担と報告経路を整えることが欠かせません。
この事例から導ける実務的な教訓は、次の3点です。
- 第一に、権限と責任を一致させること。日常の生活指導を担う人がどこまで判断できるのか、最終的に誰が責任を負うのかを明確にする。
- 第二に、師匠が不在でも機能する体制をつくること。健康上の事情などで師匠が指導できない場合に備え、代行者や相談窓口を確保する。
- 第三に、育成環境を継続的に評価すること。勝敗だけでなく、力士の健康、生活環境、相談のしやすさ、長期的な番付の推移も確認する。
相撲部屋は、競技者を育てる場であると同時に、力士が日々の生活を送る共同体でもあります。だからこそ、伝統や慣習を尊重することと、管理体制を見直すことは両立しなければなりません。式秀部屋の問題は、個別の騒動にとどまらず、相撲界全体における指導と監督の仕組みを考える材料になっています。
【式秀部屋】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:式秀部屋の問題はなぜ起きたのですか?
A1:2020年8月、所属力士9人が女将による生活指導などへの不満を訴え、一時的に部屋を離れたことが発端です。当時は師匠の体調不良で指導が十分に行えず、生活管理をめぐる問題が表面化したと報じられています。
Q2:女将が日本相撲協会から直接処分されなかったのはなぜですか?
A2:当時の報道では、女将は協会員ではなく、協会との雇用関係もないため、協会が直接処分を科すことは難しいと説明されました。そのため、部屋の責任者である10代式秀の監督責任や、部屋内の指導方法の改善が焦点となりました。
Q3:2020年当時、式秀部屋に部屋付き親方はいましたか?
A3:当時の報道では、部屋付き親方は在籍していなかったとされています。師匠の体調不良を補う別の親方がいないことも、指導体制を立て直すうえでの制約でした。
Q4:式秀部屋は2026年現在も活動していますか?
A4:はい。日本相撲協会の公式部屋紹介には式秀部屋が掲載されており、所属力士も確認できます。2026年9月場所の集計では所属力士は9人で、関取は不在でした。
Q5:式秀部屋は時津風一門と出羽海一門のどちらですか?
A5:2026年現在は出羽海一門です。創設時は時津風一門に属していましたが、2013年1月に元前頭・北桜が10代式秀を襲名して部屋を継承した際に、出羽海一門へ移りました。
まとめ:式秀部屋の現在を知るには制度・指導体制・成績を分けて見る
式秀部屋をめぐる2020年の問題は、女将による生活指導への不満、師匠の体調不良、部屋付き親方の不在、そして女将と日本相撲協会に雇用関係がないという制度上の制約が重なって起きました。協会の聞き取りと注意、師匠による個別面談を経て稽古が再開され、部屋の立て直しが図られました。
2026年現在、式秀部屋は活動を続けています。一方、2026年9月場所の集計では関取が不在で、所属力士の成績や番付上昇は今後も注目すべき課題です。ただし、現在の競技成績を過去の騒動だけで説明することはできず、育成環境や指導体制については別々の観点から評価する必要があります。
式秀部屋の問題から学べるのは、伝統的な相撲部屋の運営にも、権限と責任の明確化、師匠が不在の際の代行体制、力士が相談できる仕組みが必要だということです。過去の報道を読む際は、当時の訴えと協会の対応を区別し、現在の状況については日本相撲協会の公式情報と最新の番付・成績を確認することが、問題の実態を正しく理解するための判断基準になります。 (出典: 式 秀 部屋(Yahoo!ニュース))