ラグビーの笑わない男・稲垣啓太とは?理由、2019年W杯のトライ、2026年の現在を徹底解説
ラグビー日本代表のプロップとして活躍し、「笑わない男」の愛称で知られる稲垣啓太選手。試合中の厳しい表情と、2019年ラグビーワールドカップ(W杯)スコットランド戦で決めた歴史的なトライは、多くのラグビーファンの記憶に残っています。一方、地元・新潟で見せる穏やかな素顔や、妻の稲垣貴子さんと出演したCMでの笑顔も話題になりました。
では、稲垣啓太選手は本当に笑わないのでしょうか。2026年10月現在のプロフィールや経歴、プロップとしての役割、スクラムの強さ、2019年W杯の名場面、家族とのエピソードを整理すると、愛称だけでは見えてこないアスリートとしての信念が浮かび上がります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 笑わない理由:本人は試合中に笑うことへの違和感を語り、勝敗に向き合う姿勢を示している。グラウンド外では笑顔も見せる。
- 2019年W杯のトライ:10月13日のスコットランド戦で日本代表として初トライを記録し、28対21の勝利と史上初のベスト8進出に貢献した。
- 2026年の現在:36歳。埼玉パナソニックワイルドナイツに所属するプロップとして登録され、妻とのCM共演や地元とのつながりも知られている。
【真相】稲垣啓太はなぜ笑わない?愛称が生まれた理由
「笑わない男」という呼び名が広く知られるようになったきっかけは、2019年のラグビーW杯日本大会だ。日本代表が快進撃を続けるなか、激しいプレーの最中はもちろん、勝利を収めた試合後のインタビューでも表情を大きく崩さない稲垣選手の姿が注目された。
日本代表は同大会で初めて準々決勝に進出。チームメートが歓喜するなかでも、稲垣選手は落ち着いた表情を保っていた。とりわけ、スコットランド戦で逆転につながるトライを決めた場面と、その直後の表情の対比が、愛称を印象づけることになった。
その理由を理解するうえで参考になるのが、スポーツライター松瀬学氏の著書『ONE TEAMのスクラム』の一部を再編集した「本がすき。」掲載記事だ。同記事では、稲垣選手がグラウンドについて「戦場」という考え方を示し、試合中に笑うことへの違和感や、勝敗が厳しく評価される競技の現実を語っている。
つまり、笑わないこと自体を目的にしているというより、試合中は勝利に集中し、競技者としての責任を果たそうとする姿勢が背景にある。笑顔の有無だけで感情や性格を判断することはできない。
実際、同記事では、チームメートの布巻峻介選手が、稲垣選手はグラウンドの外では普通に笑うと紹介されている。本人も「笑わない男」という呼び名について、2019年の流行語大賞候補に入った際、「事故ですよ、事故」と冗談交じりに語っていた。
愛称は本人の競技姿勢を印象的に伝える一方、表情だけが独り歩きした面もある。笑わない理由の核心は、常に無表情でいることではなく、試合に臨むときの集中力と勝負への厳しさにある。

【プロフィール・経歴】稲垣啓太の年齢、身長、所属チームと日本代表の歩み
稲垣啓太選手は1990年6月2日生まれ、新潟県出身のラグビー選手だ。2026年10月23日時点で36歳。身長186cm、体重116kgで、ポジションはPR(プロップ)。所属チームの公式プロフィールでは、埼玉パナソニックワイルドナイツの選手として掲載されている。
ラグビーを始めた後、新潟工業高校から関東学院大学へ進学。大学ではラグビー部主将を務め、2013年にパナソニックワイルドナイツへ加入した。国内トップレベルの舞台で経験を積み、2014年には日本代表として初キャップを獲得。2015年、2019年、2023年のラグビーW杯日本代表にも選出されている。
稲垣選手の特徴は、スクラムの最前列で身体を張るだけでなく、フィールドを走り、タックルし、ボールを持って前進できる総合力だ。日本ラグビーフットボール協会の選手紹介でも、フロントローのイメージを変える走力と機動力が評価されている。
主な経歴を時系列でまとめると、次のとおりだ。
| 時期 | 出来事 | ポイント |
|---|---|---|
| 2006年 | 新潟工業高校に入学 | 高校ラグビーで経験を積む |
| 2009年 | 関東学院大学に入学 | 高校日本代表、U20日本代表に選出 |
| 2012年 | 大学ラグビー部主将に就任 | リーダーシップを発揮 |
| 2013年 | パナソニックワイルドナイツに加入 | トップリーグ新人賞、ベスト15を受賞 |
| 2014年 | 日本代表初キャップを獲得 | 国際舞台でのキャリアが始まる |
| 2015年 | ラグビーW杯イングランド大会に出場 | 初のW杯代表選出 |
| 2019年 | ラグビーW杯日本大会に出場 | スコットランド戦のトライで広く知られる |
| 2023年 | ラグビーW杯フランス大会に出場 | 3大会連続でW杯日本代表に選出 |
| 2026年 | 埼玉パナソニックワイルドナイツに所属 | 36歳の現役プロップとして登録 |
所属チームの公式情報によると、稲垣選手は2026年も埼玉パナソニックワイルドナイツの選手として登録されている。一方、過去のW杯代表選出実績と、2026年時点の日本代表招集状況は別の情報だ。3大会連続出場という実績は、長期にわたり日本の最前線を支えてきたキャリアを示している。
【専門解説】プロップの役割と稲垣啓太がスクラムで強い理由
稲垣選手を語るうえで欠かせないのが、プロップというポジションの特殊性だ。プロップはフォワード8人のうち、スクラムの最前列に立つ選手。相手フォワードと正面から組み合い、スクラムの安定や押し合いを支える役割を担う。
スクラムは、試合が中断したあとにプレーを再開するセットプレーの一つだ。両チームのフォワードが組み合い、ボールを足で後方へ送る。プロップには体格や筋力だけでなく、低い姿勢を維持する技術、相手の力を受け止める身体の使い方、味方と動きを合わせる連携が求められる。
とりわけ最前列は、身体への負荷が大きいポジションだ。姿勢が崩れれば、スクラム全体の安定性にも影響する。相手の圧力を受けながら正しい姿勢を保ち、味方のフッカーやもう一人のプロップと力を連動させなければならない。
稲垣選手が高く評価されてきた理由は、スクラムだけにとどまらない。2013~2014年シーズンには、トップリーグのサントリー戦で30回のタックルを記録したと日本ラグビーフットボール協会の選手紹介で紹介されている。タックルを終えたあとも素早く次のプレーに参加し、ボールを持てば前進する運動量が持ち味だ。
また、スクラムは単純な力比べではない。相手に圧力をかけて後退させれば、相手の攻撃開始位置や戦術の選択肢に影響を与えられる。相手の反則を誘えば、ペナルティーゴールによる得点機会にもつながる。スクラムの強さは、目立つトライとは別の形で試合の流れを左右する。
稲垣選手の価値は、こうした地味に見える仕事を高い水準で継続しながら、タックルやボールキャリーでも貢献できる点にある。「笑わない男」というキャラクターの裏には、チームの土台を支える専門性と運動量がある。

【2019年W杯】スコットランド戦の「奇跡のトライ」はなぜ伝説になったのか
2019年10月13日、ラグビーW杯日本大会のプールA最終戦で、日本代表はスコットランド代表と対戦した。会場は横浜国際総合競技場。試合は日本が28対21で勝利し、日本代表は史上初のW杯ベスト8進出を決めた。
試合の流れを大きく動かした場面の一つが、前半25分の稲垣選手のトライだ。日本は先制を許したあと、松島幸太朗選手のトライで同点に追いつく。その後、攻撃をつなぎ、最後はプロップの稲垣選手がインゴールへ飛び込んだ。
日本ラグビーフットボール協会の公式試合記録でも、稲垣選手のトライは記録されている。本人にとって日本代表での初トライとなったこのプレーは、普段は仲間のために身体を張る最前列の選手が、自ら得点を挙げた象徴的な場面だった。
プロップはスクラムや密集での仕事が多く、トライを量産することを主な役割とするポジションではない。だからこそ、稲垣選手がボールを受けてゴールラインを越えた瞬間には、ポジションの専門性を知るファンにとっても大きな意味があった。
さらに、この試合には勝ち抜けを懸けた緊張感があった。日本は前半を21対7で折り返したものの、後半にはスコットランドの反撃を受けた。それでもリードを守り切り、28対21で勝利。開催国としての期待を背負い、世界ランキング上位の強豪を破った一戦は、日本ラグビーの歴史に刻まれた。
ネット上などで「奇跡のトライ」と表現されることがあるのは、得点そのものだけでなく、稲垣選手の普段の役割、試合の重要性、そして笑顔を見せない本人の姿が重なったためだろう。ただし、勝利は一人のトライだけで生まれたものではない。チーム全体の攻守、スクラム、連携、そして最後までリードを守る集中力がそろって初めて実現した結果だ。
【地元で見せる素顔】稲垣啓太は本当に笑わない人なのか
稲垣選手の素顔を伝える報道として知られるのが、2019年10月22日付の「週刊女性PRIME」の記事だ。新潟への帰省時に訪れる地元の店について、店員がテレビで見る印象とは違う、親しみやすい人柄を語っている。
記事では、稲垣選手が子どものころから親しんできた新潟市周辺の菓子店「箕輪菓子店」を帰省時に訪れ、たまごサンドを買うことが紹介された。店員は、テレビでは笑わないといわれているが、実際には「すごくいいお兄さんという感じ」と話している。
また、笹団子で知られる田中屋本店の店長も、稲垣選手について、店では微笑みながら優しく接してくれると語っていた。こうした証言は、少なくとも公の場で見せる厳しい表情だけでは、本人の人柄を説明しきれないことを示している。
稲垣選手は新潟工業高校の出身でもある。地元とのつながりは、単なる出身地というだけではない。母校のラグビー部のグラウンドを芝生にするため、300万円を寄付したことも同じ報道で伝えられている。
もちろん、こうしたエピソードだけで性格のすべてがわかるわけではない。それでも、地元の店での接し方や母校への支援からは、テレビのキャラクターとは別の側面が見える。
ラグビーの試合では、厳しい表情を保ち、相手と激しくぶつかり合う。地元では顔なじみの店を訪れ、日常の買い物をする。その二つは矛盾しない。「笑わない男」という呼び名は、稲垣選手の一面を切り取ったものであり、笑顔がないことや人付き合いが苦手であることを意味するわけではない。

【妻との夫婦愛とCM】2024年の笑顔、岡崎体育との共演は別企画
稲垣選手の笑顔が改めて話題になったのが、2024年9月12日にJA全農にいがたが公開したテレビCM「ごはんがおいしい幸せ」篇だ。2020年から新潟米のイメージキャラクターを務めてきた稲垣選手に加え、妻でモデルの稲垣貴子さんが出演。夫妻にとって初めてのテレビCM共演となった。
CMは、稲垣選手がエプロン姿で新潟米を研ぎ、朝食を用意する場面から始まる。その後、稲垣貴子さんと炊きたてのごはんを囲む食卓が描かれ、夫婦の自然なやり取りや笑顔が映し出される。
JA全農にいがたの公式プレスリリースでは、撮影現場では笑顔が絶えず、稲垣選手が妻と一緒にいると柔らかな笑顔を何度も見せたことが紹介されている。新潟米を口にした際にも、幸せそうな笑顔を見せたという。
稲垣選手は2022年1月、モデルの新井貴子さんとの結婚を公式サイトで発表した。発表では、ラグビー選手とモデルという異なる分野で活動しながら、互いの志や精神面で共感し、支え合う存在になったと説明している。2024年のCMは、夫婦の関係を日常の食卓という形で表現した企画だった。
一方、岡崎体育さんとの共演は、2024年の新潟米CMとは別の企画だ。2021年11月20日から全国放映されたSMBCグループのテレビCM「ともに、前へ」篇に、稲垣選手と岡崎体育さんが出演している。
このCMでは、ラグビー部時代にスター選手だった稲垣選手と、補欠として過ごした岡崎体育さんが、それぞれ別の道に進んで懸命に生きる姿が描かれた。岡崎体育さんはCMソングとして、フラワーカンパニーズの「深夜高速」をカバーしている。
ここで押さえたいのは、CMの物語上の設定と、出演者本人の実際の経歴は区別して考える必要があるという点だ。「ともに、前へ」篇は、挑戦を続ける人々をたたえるための広告作品であり、稲垣選手と岡崎体育さんの高校時代をそのまま再現したドキュメンタリーではない。
2021年のSMBCグループのCMが努力や挑戦をテーマにしたのに対し、2024年のJA全農にいがたのCMは食卓や夫婦の日常に焦点を当てた。どちらも「笑わない男」という印象を持つ稲垣選手の別の側面を伝えているが、企画の目的も共演者も異なる。
【ラグビー 笑わない男】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:稲垣啓太が笑わない理由は何ですか?
A1:本人は、グラウンドを勝敗が問われる厳しい場所として捉え、試合中に笑うことへの違和感を語っています。一方、チームメートや地元の店員による証言、2024年のCMなどから、グラウンド外では笑顔を見せることがわかります。
Q2:2019年W杯スコットランド戦で稲垣啓太が決めたトライは何がすごいのですか?
A2:2019年10月13日の試合で、稲垣選手は前半25分に日本代表として初トライを記録しました。日本は28対21で勝利し、史上初のW杯ベスト8進出を決めています。スクラムの最前列で身体を張るプロップが得点を挙げたことも、印象的な場面として語り継がれています。
Q3:稲垣啓太は2026年現在もラグビー選手ですか?
A3:はい。2026年10月時点で、埼玉パナソニックワイルドナイツの公式プロフィールに選手として登録されています。1990年6月2日生まれで、同日時点の年齢は36歳です。
Q4:稲垣啓太と岡崎体育は、どのCMで共演しましたか?
A4:2021年11月放映開始のSMBCグループのCM「ともに、前へ」篇で共演しました。岡崎体育さんが「深夜高速」をカバーしたことでも知られています。2024年のJA全農にいがた「ごはんがおいしい幸せ」篇は、稲垣選手と妻の稲垣貴子さんが初共演した別のCMです。
まとめ:稲垣啓太の魅力は笑顔の有無だけでは測れない
稲垣啓太選手が「笑わない男」と呼ばれるようになった背景には、2019年W杯での活躍と、試合中も試合後も表情を大きく崩さない姿があった。本人が語ってきた競技への向き合い方を踏まえると、その表情は勝敗にこだわる姿勢の一端として理解できる。
プロップとしての強さは、スクラムの圧力だけではない。高い運動量、タックル、ボールキャリー、仲間と連携して次のプレーに備える能力が、稲垣選手の評価を支えてきた。2019年W杯スコットランド戦の初トライは、その総合力と日本代表の歴史的勝利が重なった象徴的な場面だった。
さらに、地元・新潟での温かな振る舞いや、妻の稲垣貴子さんと出演した2024年のCMは、競技中の厳しい表情とは異なる一面を伝えている。2021年の岡崎体育さんとの共演CMも、挑戦を続ける人々へのメッセージを届けた作品として記憶されている。
2026年の現在も、稲垣選手を理解するうえで大切なのは、愛称だけで人物像を決めつけないことだ。試合ではスクラムの最前線で身体を張り、チームの勝利を追求する。日常では笑顔を見せ、地元や家族との時間を大切にする。「笑わない男」という言葉の奥にある競技者としての信念と、人間としての自然な表情。その両方を知ることが、稲垣啓太選手の本当の魅力に近づく手がかりになる。 (出典: ラグビー 笑わ ない 男(Yahoo!ニュース))