IQOSに発がん性はある?2026年最新研究と紙巻きたばこの違いを徹底解説
IQOS(アイコス)は、紙巻きたばこのようにたばこ葉を燃やさず、電気的に加熱して発生するエアロゾルを吸入する加熱式たばこです。煙やにおいが比較的少ないことから、健康への影響も小さいと考えている人は少なくありません。しかし、燃焼させないことと、有害物質や発がん性がないことは別の問題です。
2026年10月現在、世界保健機関(WHO)や厚生労働省の公表資料、独立した研究機関による研究を整理すると、IQOSのエアロゾルには有害物質や発がん性が確認されている物質が含まれる一方、長期使用によってがんの発症リスクがどの程度変化するかは、十分に解明されていません。さらに、2026年10月20日には、IQOSのTEREAと旧世代のHEETSを比較した新しい研究も公表されました。
この記事では、アイコスに発がん性はあるのかという疑問を出発点に、加熱の仕組み、紙巻きたばことの違い、TEREA(テリア)・HEETS(ヒーツ)・SENTIA(センティア)などの専用スティック、ニコチンやタールの考え方まで整理します。分かっているリスクと、まだ判断できない部分を分けて解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:IQOSからは発がん性物質を含む有害成分が検出されており、発がんリスクがないとはいえない。
- 要点2:紙巻きたばこより一部の有害物質への曝露が少なくなる場合はあるが、それが同じ割合でがんのリスク低下につながるとは証明されていない。
- 要点3:2026年10月の研究では、TEREAとHEETSの排出成分に違いが確認された。銘柄や測定条件によって結果は異なり、特定の製品を安全と判断する根拠にはならない。
【先に結論】IQOSに発がん性はあるのか?2026年時点の科学的な見解
結論からいえば、IQOSは発がん性物質への曝露を伴うたばこ製品であり、発がんリスクがないとはいえません。一方、IQOSを長期間使用した場合のがん発症率が紙巻きたばこと比べてどれほど低いのか、あるいはどの種類のがんにどの程度影響するのかについては、確定的な評価に必要な長期データが不足しています。
ここで区別したいのは、「発がん性物質が含まれていること」と「製品を使用した人のがん発症率がどの程度上昇するか」は、同じ意味ではないという点です。
発がん性物質の存在は、人体が有害成分に曝露されることを示す重要な情報です。しかし、実際の発症リスクを評価するには、物質の種類や量、吸入頻度、使用期間、体内での代謝、ほかの生活習慣なども考慮する必要があります。
厚生労働省の「e-ヘルスネット」は、加熱式たばこの健康影響が紙巻きたばこより少ないかどうかは、まだ明らかになっていないと説明しています。世界保健機関(WHO)も、加熱式たばこに含まれる有害物質の量が一部で少なくても、従来の紙巻きたばこより健康への害が小さいと結論づける十分な証拠はないとしています。
つまり、2026年時点で押さえるべきなのは、次の3点です。
- IQOSのエアロゾルには、有害物質や発がん性が確認されている物質が含まれる。
- 一部の有害物質への曝露は紙巻きたばこより少なくなる可能性がある。
- 長期的ながん発症リスクの大きさや、製品を使い続けた場合の安全性は確定していない。
「紙巻きたばこより一部の数値が低い」という情報だけで、「がんにならない」「健康への影響はほとんどない」と判断するのは適切ではありません。

【仕組みを解説】アイコスはなぜ燃やさなくても有害物質が発生するのか
IQOSは、フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)が展開する加熱式たばこブランドです。たばこ葉を含む専用スティックを電気的に加熱し、発生したニコチンやその他の化学物質を含むエアロゾルを吸入する仕組みです。
紙巻きたばこでは、たばこ葉が燃焼することで煙が発生します。対してIQOSでは、燃焼を避けながら加熱によって成分を放出させます。ただし、たばこ葉や添加物を加熱すれば、成分の揮発や熱分解などによって、さまざまな化学物質がエアロゾルに移行する可能性があります。
したがって、IQOSから出るものを単なる水蒸気と考えるのは正確ではありません。目に見える白い吐出物が少ないことも、有害物質が存在しないことを意味しません。
アイコスの蒸気に含まれる有害成分として、研究で調べられている主な物質は次のとおりです。
- ホルムアルデヒド:発がん性が認められている化学物質。加熱式たばこのエアロゾルからも検出されている。
- アセトアルデヒド:たばこの煙やエアロゾルに含まれるカルボニル化合物で、健康影響が懸念される。
- たばこ特異的ニトロソアミン(TSNA):たばこ由来の発がん性物質群。製品や測定条件によって検出量が異なる。
- 揮発性有機化合物:物質によって毒性や健康への影響が異なり、一部には発がん性などが懸念されるものがある。
- その他の反応生成物:加熱によって生じるさまざまな化学物質。紙巻きたばこと同じ成分構成になるとは限らない。
重要なのは、これらの物質がすべての製品で同じ濃度になるわけではないことです。加熱温度、スティックの組成、吸い方、製品世代によって、検出される成分や量が変化します。
世界保健機関(WHO)が公表している加熱式たばこの情報でも、一部の有害物質は紙巻きたばこより低い濃度である一方、同程度または高い濃度で検出される物質や、紙巻きたばこの煙とは異なる物質があると指摘されています。
つまり、燃焼を避ける仕組みには、特定の有害物質の発生を減らせる可能性がある一方、すべての有害物質をなくす働きはありません。
【2026年最新研究】TEREA・HEETS・SENTIAの発がん性はどう違う?
2026年10月に注目される研究の一つが、学術誌「Nicotine & Tobacco Research」で同月20日に公表された、IQOSの製品世代によるたばこ組成と排出成分の比較研究です。旧世代のブレード加熱式IQOSで使用するHEETSと、誘導加熱方式のIQOS ILUMAで使用するTEREAについて、エアロゾル中のニコチンやカルボニル化合物などが比較されました。
研究では、調査対象となったTEREAの2種類のフレーバーについて、対応するHEETSと比較したところ、総カルボニル化合物の排出量はおおむね同程度だった一方、ホルムアルデヒドの排出量は、調査対象のTEREAで有意に高いという結果が報告されました。また、ニコチンや揮発性化合物の構成にも製品間の違いが認められました。
この研究は、加熱方式やスティックの構造が変わると、排出される化学物質の組成も変化し得ることを示しています。ただし、実験で測定された排出量の違いは、実際に使用した人のがん発症率の違いを直接示すものではありません。対象となったフレーバーも限られており、すべてのTEREAがすべてのHEETSより危険だと結論づけることはできません。
製品名を調べる際には、専用スティックの互換性と、健康リスクに関する研究結果を分けて考える必要があります。
- TEREA(テリア):IQOS ILUMAシリーズ向けの専用スティック。誘導加熱方式に対応する構造を持つ。2026年の比較研究では、特定のTEREAとHEETSの間に排出成分の違いが確認された。
- HEETS(ヒーツ):ブレードでたばこ葉を加熱する旧世代のIQOS向けスティック。研究によっては紙巻きたばこより有害物質の排出量が少ないものの、発がん性物質がゼロというわけではない。
- SENTIA(センティア):IQOS ILUMAシリーズ向けの専用スティック。TEREAとは異なる製品ラインであり、TEREAの研究結果をそのままSENTIAに当てはめることはできない。
- マールボロ・ヒートスティック:旧世代のIQOS向けとして展開されてきた製品。米国食品医薬品局(FDA)は2026年4月、特定のIQOS機器とマールボロ・ヒートスティック製品について、有害物質への曝露低減に関する表示許可を更新した。ただし、これは製品が無害であることや、がんの発症リスクが一定割合低下することを認定したものではない。
銘柄の違いは、味や使用感だけでなく、成分組成やエアロゾルの性質にも関係します。しかし、特定の製品である物質の排出量が低かったとしても、それだけで総合的な健康リスクが低いとは判断できません。

【比較表】IQOSと紙巻きたばこは何が違う?発がん性・有害物質・ニコチンを比較
IQOSと紙巻きたばこの違いを理解するうえでは、加熱方式、排出成分、ニコチン依存、長期的な健康影響を分けて比較することが大切です。
| 比較項目 | IQOS(加熱式たばこ) | 紙巻きたばこ |
|---|---|---|
| たばこの処理方法 | たばこ葉を電気的に加熱し、エアロゾルを発生させる | たばこ葉を燃焼させ、煙を発生させる |
| 発がん性物質 | 発がん性物質を含む。有害成分の種類や量は製品・条件で変わる | 多種類の有害物質や発がん性物質を含む |
| 有害物質への曝露 | 一部の物質は紙巻きたばこより低いが、同程度・高いものもある | 燃焼に伴い、多種類の有害物質が発生する |
| ニコチン | 含有する。依存性がある | 含有する。依存性がある |
| におい・排出物 | 燃焼煙とは異なるエアロゾルを発生させる。無害ではない | 燃焼煙や灰を発生させる |
| 長期的ながんリスク | 発症率の変化を確定するための長期的な証拠が不足している | がんを含む多くの疾患との因果関係が確立している |
| 健康上の最善の選択 | 使用しないことが望ましい | 使用しないことが望ましい |
この比較で特に注意したいのは、有害物質の排出量と、実際に人が病気になるリスクを同一視しないことです。
紙巻きたばこは、肺がんをはじめとする複数のがんや、心血管疾患、呼吸器疾患との因果関係が確立しています。一方、IQOSを含む加熱式たばこは、紙巻きたばこと比較して一部の有害物質への曝露が減少する可能性があるものの、長期間の使用による疾患リスクを評価する証拠は十分ではありません。
米国FDAが2026年4月に更新したIQOS関連の許可も、対象となる特定の製品について、有害物質への曝露を減らすという情報の表示を認めたものです。これは、すべてのIQOS製品について健康リスクが低いと認定したことを意味しません。まして、がんの発症リスクがゼロになったことを意味するものでもありません。
紙巻きたばこからIQOSに完全に切り替える場合と、紙巻きたばことIQOSを併用する場合でも、曝露の状況は異なります。両方を使用していれば、紙巻きたばこ由来の有害物質への曝露が残ります。「本数を減らした」「煙が見えなくなった」という変化だけで、健康リスクが十分に下がったと判断することはできません。
【健康リスクを検証】アイコスのニコチン・タールと周囲への影響
IQOSの健康リスクを考える際、発がん性物質だけでなく、ニコチン依存、呼吸器や循環器への影響、周囲の人への曝露も考慮する必要があります。
ニコチン:燃やさなくても依存性は残る
ニコチンはIQOSにも含まれます。ニコチンには依存性があり、使用を続けることで、やめようとしても欲求や離脱症状が生じることがあります。加熱式たばこは紙巻きたばこと別の仕組みで動作しますが、ニコチン依存という点では安全な代替品ではありません。
厚生労働省や米国疾病予防管理センター(CDC)も、加熱式たばこがニコチンを含み、健康への害を伴うことを説明しています。妊娠中の人や若年者、これまでたばこを使用していなかった人にとっては、特に使用を避けるべき製品です。
タール:数値だけでは健康リスクを比較できない
紙巻きたばこの「タール」は、煙に含まれる粒子状成分を測定する際に用いられる指標です。IQOSは燃焼煙ではなくエアロゾルを発生させるため、紙巻きたばこのタール表示と単純に比較して、健康への害が何割少ないと判断することはできません。
仮に、特定の測定条件で粒子状物質や有害成分の量が少なかったとしても、別の発がん性物質やニコチンへの曝露までなくなるわけではありません。ニコチン量やタールに関する単一の数値よりも、含まれる成分全体と長期的な健康影響を確認することが重要です。
呼吸器・循環器への影響:がん以外のリスクもある
加熱式たばこの研究では、ニコチンへの曝露や酸化ストレス、炎症反応、血管機能など、がん以外の健康影響についても調査されています。2025年に公表された研究レビューでは、加熱式たばこに関する短期的な生体指標や健康影響の結果は一様ではなく、研究期間の短さや研究デザイン上の制約も指摘されました。
このため、「がんのリスクがまだ明確でない」という状況は、「健康への影響が確認されていないから安全」という意味ではありません。がん以外の疾患も含め、継続使用による影響を慎重に考える必要があります。
周囲への影響:においが少なくても曝露は起こる
IQOSのエアロゾルは、紙巻きたばこの煙と同じ組成ではありません。しかし、使用者が吐き出すエアロゾルや製品から放出される成分によって、周囲の人も一部の化学物質に曝露する可能性があります。
CDCは、加熱式たばこの排出物が清浄な空気と同じではなく、紙巻きたばこの煙に含まれる化学物質の一部も含むと説明しています。においや目に見える煙の少なさを理由に、室内や車内での使用を無害と考えるべきではありません。

【よくある誤解】アイコスの発がん性を判断するときに見落としやすいポイント
IQOSをめぐる情報では、「有害物質が減った」という説明が、「健康への害も同じ割合で減った」という意味に受け取られることがあります。しかし、この2つは科学的に区別しなければなりません。
たとえば、特定の発がん性物質への曝露量が減少しても、ほかの有害成分への曝露やニコチン依存が残る場合があります。さらに、病気が発症するまでには長い時間がかかるため、短期間の実験だけで数十年後のがん発症率を確定することは困難です。
2026年時点の研究を読むときは、次の基準で情報を確認すると、広告やネット上の断定的な説明に惑わされにくくなります。
- 何を測定した研究か:排出物の化学分析なのか、人体の曝露指標なのか、実際のがん発症率を調べた疫学研究なのかを区別する。
- どの製品を調べたのか:IQOSの旧世代、新世代、TEREA、HEETSなど、対象となる製品やフレーバーを確認する。
- どれくらいの期間を調べたのか:数日間の実験結果を、長年の使用による発がんリスクの証明として扱わない。
- 誰が研究したのか:たばこメーカーの資金提供の有無、研究方法、独立した研究による再現性も確認する。
- 何と比較したのか:紙巻きたばこと比較した結果なのか、たばこを使用しない人と比較した結果なのかを確かめる。
国立がん研究センターも、加熱式たばこに関する研究の中で、従来型たばこより発がん性物質の濃度が低い場合があっても、それに伴う疾患リスクは十分に解明されていないと説明してきました。
健康面を優先するなら、IQOSの銘柄を選んでリスクを最小化しようとするより、たばこ製品そのものを使用しないことが最も確実な選択です。すでに使用している人は、紙巻きたばことの併用を続けるよりも、禁煙を目標に支援を利用することが望まれます。禁煙が難しい場合は、医療機関や禁煙外来で相談する方法もあります。
【iqos 発がん性】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:アイコスを吸うと肺がんになりますか? A1:IQOSの使用が個々の人の肺がんを必ず引き起こすとはいえません。ただし、エアロゾルには発がん性物質が含まれ、健康への害がないと証明されているわけでもありません。長期使用によって肺がんの発症率がどの程度変化するかについては、十分な証拠がそろっていないため、リスクがゼロだと考えるべきではありません。
Q2:アイコスは紙巻きたばこより発がん性が低いのですか? A2:一部の発がん性物質への曝露は、紙巻きたばこからIQOSに完全に切り替えることで減少する可能性があります。しかし、すべての有害物質が減るわけではなく、実際のがん発症リスクがどの程度低くなるかも確定していません。排出成分の減少と、がんの発症リスクの減少は分けて考える必要があります。
Q3:TEREA・HEETS・SENTIAの中で、発がん性が最も低いのはどれですか? A3:2026年時点で、これらの製品を総合的な発がんリスクの低さで順位づけできるだけの十分な証拠はありません。TEREAとHEETSの一部を比較した2026年の研究では、ホルムアルデヒドなどの排出成分に違いが確認されましたが、その結果だけで製品全体の発がんリスクを比較することはできません。SENTIAについても、ほかの製品の研究結果をそのまま当てはめることはできません。
まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準
IQOSに発がん性はあるのかという疑問に対して、2026年時点の科学的な見解は明確です。IQOSは有害物質や発がん性物質への曝露を伴う製品であり、安全性が保証されているわけではありません。一方、長期的ながん発症リスクが紙巻きたばこと比べてどの程度異なるのかについては、まだ十分な証拠がありません。
燃焼を避ける仕組みによって、一部の有害物質への曝露が減る可能性はあります。しかし、ニコチン依存や有害成分への曝露は残ります。TEREA、HEETS、SENTIAなどの専用スティックにも製品ごとの違いがあり、ある物質の排出量が少ないことだけで、総合的な健康リスクを判断することはできません。
2026年10月に公表されたTEREAとHEETSの比較研究も、製品世代によって排出成分が変化することを示しました。今後、健康リスクをより正確に評価するには、独立した研究機関による長期的な疫学調査や、実際の使用状況を反映した研究が必要です。
判断の基準は、煙やにおいの少なさ、広告上の「曝露低減」、銘柄ごとの成分数値だけではありません。発がん性物質への曝露があること、長期的な健康影響が完全には分かっていないこと、そしてたばこを使用しないことが最も確実な健康上の選択であること。この3点を押さえることが、IQOSの健康リスクを考えるうえで重要です。 (出典: iqos 発がん 性(Yahoo!ニュース))