不法滞在の通報で5万円はもらえる?2026年最新の報償金制度と支給条件を徹底解説
不法滞在の外国人を入管に通報すると、最大5万円の報償金を受け取れる――。この制度は実在しますが、通報すれば必ず5万円がもらえるわけではありません。出入国管理及び難民認定法第66条と同法施行規則第60条には、報償金の金額や支給に関する規定が設けられています。
2026年10月現在、出入国在留管理庁の公式案内では、不法入国や不法残留などの退去強制事由に該当すると考えられる外国人について、電子メールや最寄りの地方出入国在留管理官署を通じた情報提供を受け付けています。報償金の支給には、通報を受けた外国人に退去強制令書が発付されることなどの条件があり、匿名通報は支給対象になりません。制度の仕組み、具体的な通報方法、注意点を法律と公式案内に沿って整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 報償金の上限:1件につき1,000円以上5万円以下。ただし、支給は保証されていません。
- 支給の条件:通報に基づいて退去強制令書が発付されることが必要です。匿名通報や、職務上知った事実に基づく公務員の通報は対象外です。
- 通報の方法:出入国在留管理庁の情報受付を利用し、電子メールまたは最寄りの地方出入国在留管理官署に情報を提供できます。
【結論】不法滞在の通報で5万円はもらえる?報償金制度の真相
結論からいえば、不法滞在などに関する通報によって5万円の報償金を受け取れる可能性はあります。ただし、5万円は一律の支給額ではなく、法律上の上限です。
出入国管理及び難民認定法第66条は、第62条第1項に基づく通報があり、その通報に基づいて退去強制令書が発付された場合、法務大臣が通報者に報償金を交付できると定めています。さらに、同法施行規則第60条は、報償金の額を1件につき1,000円以上5万円以下と規定しています。
ここで重要なのは、法律の文言が「交付することができる」となっている点です。通報した事実だけで支給が確定するわけではなく、提供された情報の内容や個別の事情などを踏まえて判断されます。
また、報償金の支給条件は、通報した外国人が実際に日本から出国したことではなく、通報に基づいて退去強制令書が発付されたことです。情報提供後に調査が行われても、退去強制令書が発付されなければ、この制度の支給条件は満たされません。
つまり、「通報すれば5万円」「通報した相手が必ず強制送還される」という理解は正確ではありません。報償金制度は、入管法上の手続きと法的判断を前提とする仕組みです。
【法律を整理】入管法第62条・第66条と施行規則第60条の違い
不法滞在の通報制度を理解するには、通報そのものを定めた第62条と、報償金を定めた第66条、そして具体的な金額を定めた施行規則第60条を区別する必要があります。
それぞれの役割は次のとおりです。
| 根拠法令 | 主な内容 | 実務上のポイント |
|---|---|---|
| 入管法第62条第1項 | 退去強制事由に該当すると考えられる外国人について、一般の人が通報できることを規定 | 一般の人による情報提供の法的根拠 |
| 入管法第62条第2項 | 国または地方公共団体の職員が職務上対象者を知った場合の通報義務を規定 | 一般の人の任意の通報とは異なる |
| 入管法第66条 | 通報に基づいて退去強制令書が発付された場合の報償金制度を規定 | 支給は法務大臣の判断による |
| 入管法施行規則第60条 | 報償金を1件につき1,000円以上5万円以下と規定 | 5万円は上限であり、最低額も定められている |
このうち、第62条第1項は一般の人が情報を提供できる根拠となる規定です。対象となるのは、同法第24条に定める退去強制事由に該当すると考えられる外国人です。不法入国や不法残留などが代表例ですが、退去強制事由はそれだけに限られません。
一方、第62条第2項は、国や地方公共団体の職員が職務の遂行に伴って対象者を知った場合について定めています。第66条には、職務上知った事実に基づく通報には報償金を交付しないという例外があります。
したがって、一般の人が任意に提供する情報と、公務員が職務上の義務に基づいて行う通報とでは、制度上の扱いが異なります。通報制度全体を理解するには、通報できることと報償金を受け取れることを分けて考えることが大切です。
【支給条件】報償金を受け取るために確認したい5つのポイント
報償金を受け取れるかどうかは、通報の有無だけでは決まりません。出入国在留管理庁の報償金制度に関するQ&Aでは、匿名通報の扱いや、公務員の職務上の通報、個別の支給判断について説明されています。
1.退去強制事由に関係する具体的な情報であること
制度の対象となるのは、入管法上の退去強制事由に該当すると考えられる外国人についての情報です。単に外国人であることや、日本語を話せないこと、特定の職場で働いていることだけでは、退去強制事由に該当する根拠にはなりません。
2.通報に基づいて退去強制令書が発付されること
報償金制度の中心的な条件です。情報を提供した後、入管当局が調査を行い、法令に基づく判断を経て退去強制令書が発付される必要があります。通報の受理や調査の開始だけでは、支給が確定するわけではありません。
3.通報者の氏名や職業などを確認できること
出入国在留管理庁の公式Q&Aによると、報償金の交付に当たっては、通報者の氏名や職業などを確認する必要があります。国や地方公共団体の職員であるかどうかも確認事項に含まれます。そのため、匿名通報は報償金の支給対象になりません。ただし、匿名で情報を提供すること自体と、報償金の交付を受けることは別の問題です。
4.公務員が職務上知った事実に基づく通報ではないこと
国や地方公共団体の職員が、職務を遂行する中で知った事実を通報した場合は、報償金の対象外です。一般の人による情報提供を想定した制度であり、公務員の職務上の通報に報償金を付ける仕組みではありません。
5.個別の支給判断で交付対象となること
条件を満たしているように見えても、支給は保証されません。出入国在留管理庁は、通報内容などを踏まえ、個別の事案に応じて交付するかどうかを判断すると説明しています。支給が決まった場合には、地方出入国在留管理官署から通報者に連絡があります。
このように、報償金を受け取るための重要な判断基準は、通報したかどうかだけでなく、法定の条件を満たし、実際に退去強制令書が発付されるかどうかです。

【通報方法】出入国在留管理庁の情報受付を利用する手順
不法入国や不法残留など、入管法違反が疑われる事実について情報を提供したい場合は、出入国在留管理庁の公式窓口である「情報受付」を利用できます。
公式案内で示されている主な情報提供方法は、電子メールまたは最寄りの地方出入国在留管理官署への直接連絡です。電子メールが利用できない場合には、電話や手紙による情報受付も案内されています。土曜日、日曜日、祝日、年末年始の閉庁日は、電子メールでのみ情報を受け付けています。
情報提供を行う際は、次の流れを目安にしてください。
- 情報を整理する:自分が直接確認した事実と、推測や伝聞を区別します。
- 窓口を確認する:出入国在留管理庁の「情報受付」案内から、電子メールなどの利用方法を確認します。
- 具体的な情報を伝える:把握している日時、場所、行為の内容などを、可能な範囲で客観的に説明します。
- 回答の範囲を理解する:情報提供後、調査の進捗や退去強制令書の発付の有無について、個別の問い合わせに応じてもらえるわけではありません。
情報の正確性を高めるには、氏名や国籍などの属性だけで判断せず、何を、いつ、どこで確認したのかを具体的に伝えることが重要です。本人の在留資格や在留期限は、外見や日常の行動だけでは確実に判断できません。
また、通報のために本人を尾行したり、住居に立ち入ったり、個人情報を無断で集めたりする必要はありません。自分が適法に把握した情報を窓口に提供することと、独自に相手を調査することは区別してください。
出入国在留管理庁は、情報提供者の氏名などの個人情報や情報内容が外部に漏洩しないよう、セキュリティー対策を講じていると説明しています。一方、電子メールによる情報受付ではIPアドレスが自動的に取得されます。制度を利用する際は、公式案内の注意事項も確認しておきましょう。
【誤解を検証】匿名通報・5万円確約・退去強制令書の発付はどう違う?
「不法滞在を通報すれば報償金がもらえる」という情報は、制度の一部を説明したものです。実際の仕組みを理解するには、よくある誤解を整理する必要があります。
誤解1:匿名で通報しても、後から報償金を受け取れる
匿名通報は報償金の交付対象になりません。報償金を受け取るには、通報者の氏名や職業などを確認できる必要があるためです。情報提供そのものと、報償金の受給資格は分けて考えなければなりません。
誤解2:通報が受理されれば、必ず5万円が支給される
5万円は法律上の上限です。施行規則は1件につき1,000円以上5万円以下と定めていますが、すべての通報に上限額が適用されるわけではありません。そもそも、通報に基づく退去強制令書の発付がなければ、支給条件を満たしません。
誤解3:退去強制令書が発付されれば、報償金は必ず支給される
退去強制令書の発付は重要な条件ですが、それだけで支給が確約されるわけではありません。入管法第66条は報償金を交付できると定めており、出入国在留管理庁も、通報内容などを踏まえて個別に判断すると説明しています。
誤解4:外国人であることや、在留資格が分からないこと自体が通報の根拠になる
外国人であること、日本語が不得意であること、特定の職場で働いていることなどから、不法滞在を断定することはできません。在留資格や在留期間、個別の手続き状況は、外見から判別できるものではないからです。
難民認定の申請や在留に関する個別の手続きなど、外国人の在留状況にはさまざまな事情があります。送還の可否や在留資格の有無も、法律上の要件と個別の審査に基づいて判断されます。通報者自身が相手の法的地位を最終判断する制度ではありません。
報償金制度を理解するうえでは、情報を提供できること、退去強制手続きが進むこと、報償金が支給されることの3つを混同しないことが重要です。

【制度の課題と評判】報償金制度にはどのような問題があるのか
不法滞在の通報制度には、行政機関が入管法違反の疑いに関する情報を得る手段としての側面があります。一方、報償金という金銭的な動機を設けることで、情報の質や通報者の行動にどのような影響が生じるかという課題もあります。
第一の課題は、情報の正確性です。通報者が在留資格の状態を直接確認できるとは限らず、推測や誤解に基づく情報が寄せられる可能性があります。特定の国籍や外見を理由に不法滞在を疑うような判断が広がれば、無関係な人に不利益を与えるおそれもあります。
出入国在留管理庁は公式の情報受付ページで、外国人に対する誹謗中傷を固く断り、制度と無関係な内容のメールを頻繁に送る行為などについても注意を促しています。これは、情報提供が単なる個人への非難や嫌がらせの手段にならないようにするうえで重要な点です。
第二の課題は、報償金と公益性のバランスです。報償金が情報提供を促す可能性がある一方、金銭を得ることが目的となれば、事実関係を十分に確認しない通報が増える懸念もあります。だからこそ、報償金は通報しただけで自動的に支払われる仕組みではなく、法定の条件と個別の判断を伴う制度になっています。
第三の課題は、制度の透明性です。出入国在留管理庁は、提供された情報に関する調査状況や退去強制令書の発付の有無について、通報者からの問い合わせにも応じないと案内しています。情報提供者の個人情報保護や調査上の事情に配慮した扱いですが、通報者が結果を把握しにくいという側面もあります。
こうした制度設計について評価する際には、通報件数や報償金の上限だけでなく、情報の正確性、個人の権利への配慮、行政の判断の適正さを合わせて見る必要があります。制度の存在そのものと、実際の運用が適切かどうかは別の論点です。
【不法滞在通報5万円】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:不法滞在を通報すると、必ず5万円もらえますか?
A1:いいえ。入管法第66条と施行規則第60条により、報償金は1件につき1,000円以上5万円以下と定められています。通報に基づく退去強制令書の発付が必要であり、支給額や支給の可否も個別に判断されます。
Q2:匿名で不法滞在を通報することはできますか?
A2:出入国在留管理庁は不法滞在などに関する情報を受け付けていますが、匿名通報は報償金の交付対象になりません。報償金の交付には、通報者の氏名や職業などの確認が必要です。
Q3:不法滞在の通報はどこからできますか?
A3:出入国在留管理庁の公式サイトにある「情報受付」から、電子メールによる情報提供の方法を確認できます。最寄りの地方出入国在留管理官署に直接連絡する方法もあります。電子メールが利用できない場合は、電話や手紙による受付について公式案内を確認してください。
まとめ:報償金の金額だけでなく、制度の条件と実態を理解する
不法滞在の通報による報償金制度は、入管法第62条、第66条、入管法施行規則第60条に根拠があります。報償金は1件につき1,000円以上5万円以下で、通報に基づいて退去強制令書が発付された場合に、法務大臣が交付できる仕組みです。
ただし、5万円が一律に支給されるわけではありません。匿名通報は報償金の対象外であり、公務員が職務上知った事実に基づく通報も対象外です。通報に基づく退去強制令書の発付があっても、報償金の支給が必ず保証されるわけではありません。
実際に情報提供を検討する場合は、出入国在留管理庁の公式「情報受付」を確認し、推測や属性による決めつけではなく、客観的に把握した事実を伝えることが大切です。通報制度は、個人が相手の在留資格を独自に断定したり、相手を追跡したりするためのものではありません。
「不法滞在の通報で5万円」という情報を見かけたときは、金額の上限だけに注目せず、支給条件、匿名通報の扱い、行政による個別判断まで確認することが、制度の実態を正しく理解するための判断基準になります。 (出典: 不法 滞在 通報 5 万 円(Yahoo!ニュース))